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KNOPPIXの設定をディスクに保存するには 北浦訓行 |
ファイルシステムを強制的にチェックするにはでも紹介したが、KNOPPIX(クノーピクス)は、1枚のCD-ROMから起動できるLinuxディストリビューションだ。ドイツのKlaus Knopper氏がDebian GNU/Linuxをベースに開発し、独立行政法人 産業技術総合研究所 情報処理研究部門が日本語化を行っている。日本語版KNOPPIX(原稿執筆時点での最新版はバージョン3.3)は、産総研のWebサイト(http://unit.aist.go.jp/it/knoppix/)から入手できる。
一般的に、1CD-ROM Linuxというと、ハードディスクで運用しているLinuxにトラブルが生じたときに、ハードディスクの内容を取り出したり、復旧させることを目的としていて、必要最小限のツールがインストールされているだけというイメージがある。しかし、KNOPPIXはcloopという圧縮ループバックファイルシステムを採用して、約1.7Gbytesの容量を700MbytesのCD-ROMに収めている。そのため、KNOPPIXでPCを起動すると、最初からKDEが起動して、MozillaやSylpheed、OpenOffice.orgなどの大規模なアプリケーションプログラムもデフォルトで使用できる。
また、ハードウェアの自動認識機能も優れていて、ほとんどのPCでX Window Systemを起動することが可能だ。自動起動できない場合でも、例えばVAIOノートのように、起動時に「vaio nopcmcia」オプションを付加することによって起動できる場合もある。
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日本語版KNOPPIX 3.3の起動画面 |
KNOPPIXは書き込みできないCD-ROMを起動メディアに使っているため、再起動すると変更した設定は無効になってしまう。しかし、KNOPPIXにはそれを回避するために、設定をハードディスクやフロッピーディスクなどのストレージに保存する仕掛けがある。
フロッピーディスクに設定を保存する場合は、あらかじめDOSまたはext2でフォーマットしておく。そして、メインメニューの[KNOPPIX]-[Configure]-[KNOPPIXの設定を保存]を選択すると、[KNOPPIX用の設定アーカイブを作成]ダイアログボックスが表示されるので、保存する設定ファイルを選択して[OK]ボタンをクリックする。
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保存する設定ファイルを選択する[KNOPPIX用の設定アーカイブを作成]画面 |
次に、設定ファイルを保存するディレクトリ(デバイス)を選択する画面が表示される。ハードディスクを選択できるのであればその方が処理は速いが、フロッピーディスクも選択可能だ。
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設定ファイルの保存デバイスを選択する[KNOPPIX用の設定アーカイブを作成]画面 |
これで、選択したデバイスに設定ファイルが保存される。保存した設定を次回起動時に有効にするには、「boot」プロンプトが表示された時点で以下のコマンドを入力すればいい。
knoppix myconfig=/mnt/auto/floppy ←フロッピーディスクに保存した場合 |
また、以下のように設定ファイルを自動検出することも可能だ。
knoppix myconfig=scan |
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