Linux Tips

SCSI接続のスキャナを使うには

北浦訓行
2004/3/25

 SCSI接続のスキャナを使う場合、最初にSCSI自体を使えるようにするためにドライバをインストールする必要がある。まず、使用しているSCSIホストアダプタに対応したドライバがハードディスク上にあるかどうかを確認する。

# locate tmscsim ←Tekram DC-390用のドライバを検索
/lib/modules/2.6.0-6/kernel/drivers/scsi/tmscsim.ko
# modprobe tmscsim ←ドライバをインストール
# lsmod ←確認
Module                  Size  Used by
tmscsim                32832  0 ←インストールされた
(省略)
# dmesg
(省略)
DC390: 1 adapters found
scsi0 : Tekram DC390/AM53C974 V2.0f 2000-12-20
  Vendor: EPSON     Model: SCANNER GT-7000   Rev: 1.09 ←スキャナが認識された
  Type:   Processor                          ANSI SCSI revision: 02

 以上で、SCSIが使えるようになる。

 次に、スキャナの情報を調べる。Linuxでは、スキャナ関連ツールとしてSANEが使われる。SANEは、スキャナを始めとするラスターイメージを取り込むハードウェアに対するアクセスを標準化したAPIで、SANEのパッケージに多くの関連ツールが入っている。

 Fedora Core 1やTurbolinux 10 Desktopの場合、インストール時にパッケージのフルインストールを選択するとSANEもインストールされる。Vine Linuxの場合は、Vine PlusにSANEのパッケージ(sane-1.0.11-0vl2.i386.rpm、sane-clients-1.0.10-0vl1.i386.rpm、sane-devel-1.0.11-0vl2.i386.rpm、xsane-0.90-0vl1.i386.rpm)が用意されているので、それをインストールする。

 まずは、sane-find-scannerコマンドで接続されているスキャナを探す。

# sane-find-scanner

found SCSI processor "EPSON SCANNER GT-7000 1.09" at /dev/sg0
found SCSI processor "EPSON SCANNER GT-7000 1.09" at /dev/sga
  # Your SCSI scanner was detected. It may or may not be supported by
 SANE. Try
  # scanimage -L and read the backend's manpage.

  # No USB scanners found. If you expected something different, make
 sure that
  # you have loaded a driver for your USB host controller and have
 installed a
  # kernel scanner module.

  # Scanners connected to the parallel port or other proprietary ports
 can't be
  # detected by this program.

 上の例では、EPSON GT-7000というスキャナが接続されていることが分かる。また、scanimageコマンドでも調べることができる()。

注:ちなみに、SANEではドライバを「バックエンド」、ユーザーインターフェイスを「フロントエンド」と呼んでいる。

# scanimage -L
device `epkowa:/dev/sg0' is a Epson GT-7000 flatbed scanner
device `epson:/dev/sg0' is a Epson GT-7000 flatbed scanner

 例では、Turbolinux 10 DesktopにSANEとエプソンコーワのImage Scan! for Linuxをインストールしているため、2種類のバックエンドが表示されている。

 以上でSCSI接続のスキャナがシステムに認識されたが、このままではrootでしかスキャナにアクセスできない。root以外のユーザーもスキャナを使えるようにするには、以下のようにデバイスを読み書き可にする必要がある。

# ls -l /dev/sg0
lrwxrwxrwx    1 root   root         3  3月  1 04:55 /dev/sg0 -> sga
# ls -l /dev/sga
crw-------    1 root   sys    21,   0 12月 29 19:00 /dev/sga
# chmod 666 /dev/sga
# ls -l /dev/sga
crw-rw-rw-    1 root   sys    21,   0 12月 29 19:00 /dev/sga

 スキャナを使用するためのプログラム(フロントエンド)には、SANEのXsane(GUI)、同じくscanimage(CUI)、エプソンコーワのiscan(GUI)、KDEのkooka(GUI)などがある。

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