Javaアプリケーションサーバ・カタログ
鶴長 鎮一
2003/5/13
独自JVMでハイパフォーマンスを実現 BEA WebLogic Server 8.1J |
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■製品概要
WebLogic ServerにはSun JVM(1.4.1_02)とともにJRockit 8.1が付属する。そのため、以前のように個別に入手する必要はなく、通常のインストレーションでJRockitがデフォルトのJVMとなる。ただし、デバッグ動作時はSun JVMが使用される(注)。
注:筆者が評価版を試した限りでは、Sun JVMが使用されていた。そのため、スタートアップスクリプトを下記のように修正してJRockitを有効にした。 JAVA_VENDOR="BEA" JAVA_HOME="/usr/local/bea/jrockit81_141_02/" /usr/local/bea/user_projects/mydomain(またはexamplesなど)/startWebLogic.sh 評価版のための仕様なのか、Linux版に限られたことなのかは確認できなかったが、製品版では改善されていることを期待したい。 |
JRockitのバージョンアップ以外にも、EJBの最適化やRDBMSとの接続で使用されるコネクションプーリングおよびPrepared Statementの見直しにより、カタログスペックによると旧版に比べてパフォーマンスが30%向上しているという。
セキュリティシステムに対してもさらに手が施されており、Web Services Security(WS-Security)が採用されている。XMLエンコードやメッセージエンコードにWS-Securityを用いることで、SOAPメッセージの信頼性を向上させることができる。早い段階でこうした最新技術を実装するのは、同社が得意とするところである。
■管理/モニタリング機能
WebLogic Serverの管理やモニタリングは、Webブラウザで行う。従来は設定項目の羅列で多少使いづらい面もあったが、8.1ではよく使う機能がタスク単位でまとめられ、コンフィグレーションがより直感的に行えるようになっている。コンフィグレーションとモニタリングが直結されており、タブを切り替える要領でコンフィグレーションとモニタリングの画面を切り替えられるのは便利だ。
EJBのモニタリングにおいては、ステートレス/ステートフルEJB、エンティティEJBと、EJBの種類ごとに状況が把握できる。また、J2EEコンテンツごとの停止、再デプロイメントが可能で、デバッグなどデプロイメントを何度も繰り返す開発工程においては大変重要な機能である。
サービス開始後「http://サーバのアドレス:7001/console/」にアクセスした様子。EJBの種類ごとにモニタが可能になっているのが分かる(画像をクリックすると拡大表示します) |
■開発環境
同社の製品案内を見ると、WebLogic Serverはスイート製品であるWebLogic Platformのインフラストラクチャ(基盤)と位置付けられており、開発環境であるWebLogic Workshopを同コンポーネントの重要なフレームワークに直結させている。
WebLogic WorkshopはHTML/JSPからEJBの作成まで一貫して行え、さらにフレームワークを通してアプリケーションのデプロイ、デバッグ、評価を行うことが可能になっている。WebLogic Workshopは、現段階でLinux評価版には付属せず、Windows評価キットおよび製品版に8.1のベータ版が添付される。本格的にこのツールが使用できるようになるのは、2003年夏発表予定のWebLogic Platform 8.1Jを待つ必要がある。
Windows XP上のWebLogic Workshop(画像をクリックすると拡大表示します) |
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