さて、いろいろなタグサービスを見て「今日からタグを使って情報管理だ!」と意気込んでいる人もいるでしょう。ここではタグを付ける際の注意点をいくつか挙げたいと思います。
○個人が特定できる個人情報のタギングは注意
自分の名前や住んでいる住所など、プライバシーや個人情報を連想させるタギングはよく考えなければなりません。安易に付けてしまうと、そこからあなたのプライベートが丸裸にされてしまう可能性があります。
○タグの数は「少なすぎない」「多すぎない」
犬の写真のタグを「犬」と1つだけ付けるのは漠然としてしまいます。「犬」とうタグはたくさんあるので、情報を絞るのには役立ちません。絞り込みに役立ちそうな具体的な言葉を付けましょう。ヘビーユーザーの間では、「ワイヤーフォックステリア」「犬」「ペット」など、3〜4つぐらいののタグを付けると良いとされています。逆にたくさんタグを付け過ぎのも注意です。「タグをたくさん付けると情報が正確になって良いのでは?」と思えますが、検索する際に関連の低いタグがヒットしすぎて、効率的な検索の障害となってしまいます。
○あいまいな単語は使用しない
タグを付けるときに「かわいい」「大きい」など、あいまいな意味に取れるタグは控え、できるだけ具体的な単語を利用しましょう。ペット犬の写真をタギングするときは「カワイイ」「小さい」「犬」というような抽象的なタグを付けるよりも、「子犬」「チワワ」「ロングコート」とより具体的にタギングしましょう。
○迷ったら多数に従う
ある文章術についてためになるWebサイトにタギングを行う際、「文章の書き方」か「文章術」のどちらでタグを付けるか迷ったとします。もしほかの人のタグが参考にできる場合は、数が多いタグに倣って付けましょう。情報を共有するという点で、メジャーに従った方がいいのです。
●ローカルデータの管理に期待
タグによる情報分類はまだまだ発展する余地があるサービスなので、これからいろいろなサービスに応用される可能性があります。特にローカルコンピューター内の情報には、まだタグによる管理はほとんど行われていません。今後は、デスクトップ検索ツールと併せて強力な検索ツールが出てくるかもしれません。
●タギングの問題点
タグサービスの一番の弱点は「ユーザーの手間が掛かる」ところです。いくら便利なサービスでも面倒なものは、なかなか広がりません。たとえワンクリックであっても、「嫌だな〜」と感じるユーザーがたくさんいます。
みんなで情報を管理するという「フォークソノミー」も弱点となる場合もあります。数多くのユーザーがタギングした結果、同じ情報にさまざまなタグ付けが行われ、情報のヒット率が落ちるという問題があります。
「タグ」が、Web情報の分類、管理、検索に役立つ様子を説明しましたが、お分かりいただけましたでしょうか。さらなるユーザーとサービス提供者の両者の「タグ」の効果的な活用が、Webサービス実現への一歩となっていくでしょう。
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