自動更新はバックグラウンドで修正プログラムのダウンロードや適用を実行する便利なサービスである。しかし、それがかえってユーザーの邪魔になることも。一時的に自動更新サービスを止める方法とは?
対象OS:Windows 2000 / Windows XP / Windows Vista / Windows Server 2003
Windows Me以降、バックグラウンドで必要な修正プログラムをダウンロードしたり、適用したりできる自動更新機能が提供されている。自動更新の設定は、[コントロール パネル]−[自動更新]で行う。推奨設定は「自動」となっており、マイクロソフトが推奨する修正プログラムを自動的にダウンロードして、指定した時間(デフォルトは毎日午前3時)にインストールを開始する設定となっている。その他、「更新を自動的にダウンロードするが、インストールは手動で実行する」「更新を通知するのみで、自動的なダウンロードまたはインストールを実行しない」「自動更新を無効にする」から選択可能で、ユーザーの修正プログラムの適用スタイルに合わせた設定が可能だ。
ただ、「自動更新を無効にする」以外の設定では、自動更新により、ユーザーに修正プログラムの適用や再起動を促すバルーンやダイアログが表示されることがある。そのため普段、電源がオンになっていなかったり、ネットワークに接続されていなかったりすることが多いノートPCなどでは、電源がオンになった時点で修正プログラムの適用が開始されたり、ネットワークが接続された時点で修正プログラムのダウンロードが開始されたりしてしまう。そのため、予期しないタイミングで自動更新によるバルーンやダイアログの表示が行われてしまうことがあるし、インストールのためにCPUの使用率が急に高くなることがある。それでも通常の業務中であれば、それほど問題になることもないが、顧客先でのプレゼンテーション中となると具合が悪い。
そこで、自動更新によるバルーン表示などが不用意に行われないように、プレゼンテーションなどの前に自動更新サービスを一時、止めておくとよい。
自動更新サービスを停止するには、管理ツールを使う方法とコマンドを使う方法がある。管理ツールを使う方法の方が分かりやすいが、慣れればコマンドを使った方が素早くサービスの停止/開始が可能となる。
[管理ツール]の[サービス]で「自動更新」または「Automatic Updates」のいずれかを見つける。自動更新サービスは、修正プログラムの適用方法などによって「自動更新」または「Automatic Updates」のいずれかのサービス名となっているが、サービス自体は同じものである。
そこで、「自動更新」または「Automatic Updates」を見つけ、ダブルクリックで[自動更新のプロパティ]を開く。[全般]タブの[停止]ボタンをクリックするとサービスが停止する(ツールバー上の停止ボタンを押してもよい)。「サービスの状態」が停止となったことを確認しておくとよい。サービスを再開するには、[開始]ボタンをクリックすればよい。また「スタートアップの種類」が「自動」になっていれば、再起動後に自動的にサービスが開始される。
なお、自動更新サービスを停止するには、管理者権限でログオンしている必要がある。管理者権限のないユーザーでログオンしている場合は、[管理ツール]−[サービス]を右クリックして、メニューから[別のユーザーとして実行]を選択し、管理者権限を持つユーザーで実行すればよい。
[B]
管理ツールを使うと、グラフィカルユーザーインタフェースで作業ができるため分かりやすい。一方、サービスの停止を実行するまで幾つものウィンドウを開けなくてはならず、プレゼンテーションを開始する準備で忙しいような場合は面倒に感じることもあるだろう。そのような場合、コマンドを使うとよい。
[ファイル名を指定して実行]またはコマンドプロンプトを開き、「net stop wuauserv」を実行する。「wuauserv」としておけば、サービス名が「自動更新」「Automatic Updates」のいずれでも停止可能だ。
C:\>net stop wuauserv
自動更新 サービスを停止中です.
自動更新 サービスは正常に停止されました。
「net stop 自動更新」とすると、サービス名が「自動更新」となっている場合は停止するが、「Automatic Updates」の場合はエラーとなる(前述のようにコンピュータごとにサービス名が異なる場合がある)。逆も同様なので、「wuauserv」で停止するのが最も無難だ。だが「wuauserv」というサービス名を忘れてしまった場合は、コマンドを実行するコンピュータのサービス名で停止させるのが手早い。その場合は、「net start」コマンドを実行して、事前にサービス名を確認しておくとよい。
C:\>net start
次の Windows サービスが開始されています:
Acronis Scheduler2 Service
Apple Mobile Device
Application Layer Gateway Service
:
(中略)
:
Windows Time
Wireless Zero Configuration
Workstation
自動更新
コマンドは正常に終了しました。
管理ツールでサービスを停止する場合と同様、「net stop」コマンドでサービスを停止させる場合も、管理者権限が必要となるので注意が必要だ。管理者権限がない場合は、以下のように「runas」コマンドを利用し、管理者権限を持つユーザーで実行すればよい。また、UAC(ユーザーアカウント制御)が有効なWindows Vistaで実行するには、コマンドプロンプトのアイコンを右クリックして[管理者として実行]を選択する必要がある。
C:\>runas /user:<ユーザー名>\<ドメイン名> "net stop wuauserv"
<ユーザー名>\<ドメイン名> のパスワードを入力してください:
自動更新サービスを再開するには、「net start wuauserv」を実行すればよい。自動更新サービスの「スタートアップの種類」がデフォルトの「自動」のままならば、再起動することでサービスを開始させることも可能だ。
C:\>net start wuauserv
自動更新 サービスを開始します.
自動更新 サービスは正常に開始されました。
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