ITエンジニアの周りにはストレスがいっぱい。そんな環境から心身を守るためのヒントを、IT業界出身のカウンセラーが分かりやすく伝えます。
前回「ストレスへの反応には個人差が。あなたは何に弱い?」では、ストレスが体にどう受け止められ、体はどう反応する仕組みになっているかについて触れました。ストレスは神経系と内分泌系に伝わり、この2つが連動して体をコントロールしていましたね。
今回は、ストレスが過剰になったとき、上記の反応の結果としてどんな体の病気が起こるかをお伝えしたいと思います。
不調を感じ、「あれ、変だな」と思ったら、まず体に関する必要な検査をしましょう。発症や経過にストレスが関係していることが考えられる場合は、治療を進めるとともに、休養やストレスのもととなっている環境の調整を考えましょう。
外部からのストレスによって、体の中では前回述べたような反応が起きています。
自覚できる変化としては次のような段階があるようです。
まず感情の変化が起こります。不安や怒り、失望、恐怖などです。これに続いて起こるのが身体反応で、どうき、震え、冷や汗、息苦しさなどがあります。さらに、そうしたことを紛らわそうと、たばこやお酒が増えたり、動作が荒くなったり、せかせかしたりします。これが行動の変化です。
こうした一連の変化はストレスが加わったときの自然な反応であり、防衛反応といえます。
しかし、ストレスが長期に及んだり強すぎたりすると、がまんにも限界が訪れ、さまざまな症状となって表れます。心の症状として出るのが、「うつ病」であり「神経症」です。一方、体に出た場合は「心身症」となります。
心身症とは、ストレスがその発症や経過にかかわっている、さまざまな体の病気の総称です。ある特定の病気を指すものではありません。
心身症は体の病気ですので、まずはその治療をします。しかし、それだけでは不十分で、ストレスのもとにも対処する必要があります。さらに複雑なことに、体の不調は心の不調に影響するのです。体と心の相互作用を考えたうえでの治療が大切です。
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