VMware Infrastructure 3のストレージ機構[2]VMware Infrastructure 3徹底入門 実践編(10)(3/4 ページ)

» 2009年03月02日 00時00分 公開

iSCSIソフトウェアイニシエータの有効化

 VMware ESX 3.xはVMkernel内にiSCSIソフトウェアイニシエータの機能を実装している。このため一般的なNICを通じてiSCSI SANを利用することができる。従ってデータトラフィックにはVMkenrelネットワークが利用される。一方で、iSCSIストレージのディスカバリやエラーのハンドリング処理などはサービスコンソールから実行されるため、サービスコンソールネットワークも利用される。従って、iSCSIストレージ装置にはVMkernelネットワークとサービスコンソールネットワークの両方から到達可能でなければならないという点に注意する。

 本連載の実践編(7)ならびに実践編(8)で新規仮想スイッチの作成とNIC Teamingの構成を行った。ここではその仮想スイッチに対して、iSCSIソフトウェアイニシエータで利用するVMkernelネットワークと、2番目のサービスコンソールネットワークを追加することとする。それぞれのIPアドレスは以下を用いることとする。

esx01のVMkernelネットワーク 172.16.4.200/16
esx01のサービスコンソール(2個目) 172.16.5.200/16
esx02のVMkernelネットワーク 172.16.4.201/16
esx03のサービスコンソール(2個目) 172.16.5.201/16
iSCSIストレージ装置 172.16.1.129/16
表2 iSCSI SANで利用するIPアドレス

図13 iSCSI SANの構成と作業範囲 図13 iSCSI SANの構成と作業範囲

 それでは実際にVMkernelポートとサービスコンソールポートをvSwitch1に追加する。ラベル名はそれぞれiSCSI、Service Console 2として構成を行った。以下は構成完了後のesx01の仮想スイッチの構成図である。esx02に関しても同様の構成を行う。

図14 vSwitch1にVMkernelポートとサービスコンソールポートを追加 図14 vSwitch1にVMkernelポートとサービスコンソールポートを追加

 次に、iSCSIソフトウェアイニシエータを有効化する。デフォルトでは本機能は無効化されているためである。インベントリーでESXを選択し、「構成」→「ストレージアダプタ」→「iSCSIソフトウェアアダプタ」を選択後、「プロパティ」を選択する。

 アダプタのプロパティが表示される。デフォルトではiSCSIソフトウェアイニシエータ機能は無効になっていることが確認できる。ここで「構成」を選択する。

図16 デフォルトではiSCSIソフトウェアイニシエータは無効化されている 図16 デフォルトではiSCSIソフトウェアイニシエータは無効化されている

 ステータスを「有効」にするチェックボックスを有効化し、「OK」をクリックする。

図17 iSCSIソフトウェアイニシエータを有効化する 図17 iSCSIソフトウェアイニシエータを有効化する

 iSCSIソフトウェアイニシエータ機能が有効化される。このときiSCSI Qualified Name(以下IQNと略記)が自動生成される。特定のイニシエータに対するアクセス許可、もしくはアクセス制限をストレージアレイ装置側に設定する必要がある場合は、この値を用いてその設定を行う。

図18 IQNが自動生成され、iSCSIソフトウェアイニシエータが有効化される 図18 IQNが自動生成され、iSCSIソフトウェアイニシエータが有効化される

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