「提案書」や「要件定義書」は書くのが難しい。読む人がITの専門家ではないからだ。専門用語を使わず、高度な内容を的確に伝えるにはどうすればいいか。「提案書」「要件定義書」の書き方を通じて、「誰にでも伝わる」文章術を伝授する。
SEはさまざまな文書を作成する必要があります。その中でも、提案書や要件定義書の作成に悩むSEは多いようです。なぜなら、これらは「顧客に読んでもらわなければならない文書」だからです。
本連載では、「誰にでも分かる」提案書や要件定義書を作成するための文章術を解説します。ただし、分かりやすい文書を作成するには、文章術だけでは十分ではありません。必要な情報を顧客から引き出すためのコミュニケーション、文書全体の構成も重要です。
第1回では、SEが作成する文書はどのようなものかを概観します。第2回では、情報を引き出すための顧客とのコミュニケーションのポイントを説明します。第3、4回では分かりやすい文書にするための構成について、第5回では分かりやすい表現にするための文章術について解説します。
文書は、他者とのコミュニケーションのツールです。情報を伝達し、情報の内容を確認するために使います。
システム開発では、SEと顧客、SE同士、SEとプログラマの間などで、情報の伝達や情報内容の確認が必要です。そのため、システム開発に文書は欠かせません。SEは、開発工程の各段階で、以下のような文書を作成します。
要件定義 要件定義書(要求仕様書)
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外部設計 外部仕様書
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内部設計 内部仕様書
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プログラム設計 プログラム設計書
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プログラム設計 プログラム設計書
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テスト テスト仕様書(テストケース)
また、開発工程に入る前の受注段階では、提案書の作成が求められます。開発工程が終了した後(もしくは並行して)、マニュアルや説明書の作成やその支援をすることがあります。
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