分かりやすい提案書はアウトラインが美しい誰にでも分かるSEのための文章術(3)(1/2 ページ)

「提案書」や「要件定義書」は書くのが難しい。読む人がITの専門家ではないからだ。専門用語を使わず、高度な内容を的確に伝えるにはどうすればいいか。「提案書」「要件定義書」の書き方を通じて、「誰にでも伝わる」文章術を伝授する。

» 2009年10月13日 00時00分 公開
[谷口功@IT]

 分量がある文書を作成する際には、文書全体の「アウトライン(骨格、構成)」をきちんと作り上げてから内容を記述する必要があります。今回は、「読みやすく分かりやすい提案書」にするアウトラインの作成方法について紹介します。

提案書の書き方について知りたい方は、以下の記事も参考になります
開発工程でSEが書く文書の基本
さらば、翻訳調の文章! 技術者向け校正ルール


読みやすい文書は「階層構造」をしている

 読みやすい、分かりやすい文書は、全体が階層構造になっています。文書は、一般的に下記のような階層で構成されています。

  • 大見出し(章)
  • 中見出し(節)
  • 小見出し(項)

 階層構造は、複雑で大量の情報を含んだ文書の内容を、分類・整理するために必要不可欠です。階層化した文書は、各トピックで記述される範囲が決まっているため、焦点を絞って読むことができます。このことは、読者の理解を大いに助けます。

 階層構造の方法について、順を追ってみていきましょう。まず「大見出し」の層に分割します。その後に各「大見出し」を「中見出し」の層に、さらに必要であれば「中見出し」を「小見出し」に分割します。それぞれの層での分割の数は5から10程度にします。分割数が多すぎると、読み手が文書の全体像を把握できなくなる恐れがあるためです。


 記述量による分割方法もあります。分かりやすい文書にするためには、1つの項目の記述量が1ページ内に収まるように分割するといいでしょう。

提案書を階層構造にする

 提案書の「大見出し」には、次のような項目が考えられます。

  • システムの導入について(説得するための材料や情報)
  • 導入システムの概要
  • 開発プロジェクトの進め方
  • 見積もり

 これらの「大見出し」の下にある「中見出し」の項目は、次のようなものが考えられます。さらに必要であれば、「小見出し」の層に分割します。

1.システムの導入について

  • システム導入の背景
  • システム導入の必要性
  • システム導入の目的
  • 顧客の現状
  • 現状の問題点
  • システム導入の効果・成果・目標
  • システム導入における課題
  • 実現の方針・方策・方法
  • 対象となる業務の範囲・領域

2.導入するシステムの概要

  • 導入するシステムの構成
  • システム導入後の業務フロー
  • システムの品質条件、性能条件
  • 開発するシステムの範囲

3.開発プロジェクトの進め方

  • 開発プロジェクトの進め方
  • 顧客に納入する成果物
  • 開発体制
  • 開発スケジュール

4.見積もり

  • コスト見積もり

「読み手が求める」提案書の展開

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