iPhone 6/6 PlusアプリをSwift言語で作成してみたいという初心者向けにiOS 8の新機能を使ったアプリの作り方を一から解説する入門連載。初回は開発環境を整えて「Hello World!」
日本時間の2014年9月18日午前2時に、iOS 8がリリースされました。去年リリースされたiOS 7では、ユーザーインターフェースがシンプルなものに一新されるなど、一般ユーザーにもハッキリと分かるアップデートでしたが、iOS 8では機能面の強化が中心になっています。
これまで開発者が扱えなかった機能が使えるようになったり、新しいフレームワークが追加されたり、新しい言語が発表されたりと、開発者にとってのインパクトが大きいリリースだったのではないでしょうか。
iOSユーザーのiOS 8への移行は進んでおり、9月21日の時点でアップルの開発者向けのページでは、App Storeを利用するデバイスのうち46%がすでにiOS 8を使用しているという統計が公表されています。
6月に開催された「WWDC 2014」や9月に開催された「Apple Special Event」ではiOS 8の新機能や新しい端末が紹介されました。
特にアプリ開発者に関係がありそうな項目には、以下のようなものがあります。
以下、順に紹介します。
新端末に関して、これまでは、iPhone 4sのサイズ(320pt×480pt)とiPhone 5sのサイズ(320pt×568pt)の2種類に対応していれば大丈夫でした(iPhoneのみを対象としたアプリの場合)。
しかし、これらの端末とは異なる画面サイズを持ったiPhone 6とiPhone 6 Plusという端末が登場しました。Autolayout(レイアウトに関するルールを設定して、ビューのレイアウトを自動で調節させることができる機能)などを活用して端末の画面サイズに合った画面をレスポンシブに作る必要があります。
また、iPhone 5sとiPhone 6 Plusを比較すると、端末を持ったときに手が届く範囲が異なるなどの物理的な違いがあり、ユーザーの端末の扱い方も変わってきます。
これまでの端末の延長線として、単に画面を拡大するだけではなく、新しいデバイスに合った画面を作ることが理想的です。
iOS 8では、4000もの新しいAPIが追加されました。
例えば、PhotoKitでは、iOS標準の「写真」アプリで使用されているAPIが解放され、「写真」アプリ並みの機能を持ったアプリの開発が容易になりました。
また、システムエリアの機能を拡張する「App Extension」の1つである「Photo Editing Extension」を使用すれば、開発者が作成した写真編集機能を「写真」アプリから使用することが可能になります。
フォトライブラリを扱うiOS 8対応アプリを開発するのであれば、PhotoKitを使うことが重要になるのではないでしょうか。
Swiftは「WWDC 2014」で発表された新しいプログラミング言語であり、以下のような特徴を持ちます。
モダンなプログラミング言語の要素が取り入れられており、プログラムを簡潔に記述できます。
これまではiOSアプリを開発するには「Objective-C」という言語を習得する必要がありましたが、Swiftが登場したことによってiOSアプリ開発への入り口が広がったのではないでしょうか。
また、Objective-CとSwiftは共存できるようになっており、これまでObjective-Cでアプリを開発してきた開発者が直ちにSwiftを習得しなければならないわけではありません。
しかし、すぐにというわけではないにしても、徐々にSwiftに移行していくことが求められるかと思います。
本連載では以下の項目を押さえつつ、何回かに分けて具体的なアプリを作っていく予定です。
iOSアプリ開発には、Macを使う必要があります。Macについて知りたい方は、以下の記事を参照してください。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.