あなたは、帰国子女でもないのに英語が堪能な人を見てうらやましく思った経験はないだろうか。技術力が高くて知識も豊富なエンジニアをねたましく思ったことはないだろうか――人材育成歴30年の田中淳子さんが、職業人生の節目節目で先輩たちから頂いてきた言葉たちを紹介する本連載。今回は、自分よりも能力がある人をうらやましく思ったときに取るべき行動を一緒に考える。
人材育成歴30年の田中淳子さんが、人生の先輩たちから頂いた言葉の数々。時に励まし、時に慰め、時に彼女を勇気付けてきた言葉をエンジニアの皆さんにもお裾分けする本連載。
前回は、後輩に仕事を渡せなかった淳子さんが、先輩に頂いたアドバイスを紹介した。今回は、つい誰もが口にしがちな「あなたは、いいよね」について考える。
とあるIT企業に勤めている知人が嘆いていた。その企業は最近外国企業と提携し、英語で会議することが増えたそうだ。ちなみに彼女の部署は、本人を含め英語が堪能な人が多い。
「英語を話せない上司が、英語が堪能な部下を通訳代わりに会議に連れていっちゃうんですよ。でも通訳している間部下は本来の仕事ができないので、現場は迷惑しているんです。上司は英語ができないからってすぐに人に頼らないで、下手でもいいから自分で何とかしようと努力してくれたらいいのに」
この上司が彼女たちを通訳に連れ出す際に言う言葉が、またかちんと来るらしい。
あなたはいいよね、英語ができるから
「私は、努力したんですよ! 最初から英語が話せたわけではなく、とっても努力して、それでやっとある程度話せるようになったんです。それを自分と君とは違う、とばかりに、『いいよね、キミは』なんて言われると、かちんと来るんですっ!(ぷんぷん)」
ああ、分かる分かる。これ、すごく分かる。
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