富士通とヴイエムウェアが協業を拡大ハイブリッドクラウド運用へのニーズに対応

ヴイエムウェアが富士通との協業を拡大。ヴイエムウェア製品は富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」向けに最適化され、VMware vSphere Integrated Containersを使ったK5のPaaS機能拡張も行われる。

» 2015年11月10日 18時22分 公開
[@IT]

 ヴイエムウェアは2015年11月10日、クラウドの利用促進に向けて富士通と新たな協業を進めると発表した。両社は2006年からパートナシップを結んでいる。企業の間ではハイブリッドクラウドの利用が広がっており、今回の協業拡大は、このようなユーザー企業のニーズに応えるもの。

 具体的にはOpenStackやCloud Foundryをベースにした富士通のクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service K5」でのヴイエムウェアとの協業を強化する。協業の主な内容は以下の通り。

(1)ヴイエムウェアの技術をFUJITSU Cloud Service K5に向けて最適化し、FUJITSU Cloud Service K5と、ユーザー企業のオンプレミス環境で稼働する基幹システムをシームレスに利用できるようにする。この取り組みを通じて、両社は企業向けに最適化したハイブリッドクラウドを提供する。

(2)「VMware vSphere Integrated Containers」のテクノロジプレビュー版を使って、FUJITSU Cloud Service K5のPaaS(Platform as a Service)機能を拡張し、クラウド型アプリケーションの開発、展開に向けて協力する。

(3)「VMware Horizon」とヴイエムウェアのネットワーク仮想化技術「VMware NSX」、富士通の手のひら静脈認証技術を活用して、社内外を問わず発生するセキュリティのリスクや仮想デスクトップ上でのなりすましを抑制するセキュリティ技術を提供する。富士通は、この技術を富士通と国内グループ会社の従業員8万人に導入し、「FUJITSU Managed Infrastructure Service仮想デスクトップサービスV-DaaS」とスマートデバイスの管理サービス「FENICS II Mobile Management AirWatch by VMware」のサービスレベル向上を図る。

「FUJITSU Cloud Service K5」のIaaSサービスのイメージ(出典:富士通のWebページ)
K5のPaaSはCloud Foundryをベースに開発中

 さらに今回の取り組みの一環として、富士通とヴイエムウェアは、富士通の「FUJITSU Digital Business Platform MetaArc」の中核となるクラウドサービスFUJITSU Cloud Service K5と、VMware Horizonを利用したV-DaaSの世界展開に向け、販売・マーケティング活動を展開するプロジェクトチームを発足させる。両社は、ASEAN諸国を皮切りにV-DaaSを世界市場に展開するとしている。

 またヴイエムウェアは、「VMware Briefing Center」を、東京都港区にある本社オフィスに開設することも発表した。同センターは、同社の統合ハイブリッドクラウドプラットフォームと、その導入事例や効果を紹介するとともに、ワークショップ形式で実践的にソリューションの導入を支援する。2015年内は特定の顧客を対象にプレビューとして運営を開始し、2016年1月中旬以降に一般公開する予定。今後は、Software Defined Datacenter(SDDC)やビジネスモビリティ、統合パブリッククラウド、セキュリティなど、ユーザー企業のニーズに合わせて提供コンテンツを拡充しながら対象ユーザーを広げていく。

 米国本社の同センターには、これまで毎年50社以上の日本企業が訪れ、利用している実績があるという。同センターのアジアでの開設は、オーストラリア(シドニー)に続くもの。統合ハイブリッドクラウドの潜在需要が高い日本に開設することで、顧客のビジネス価値創出を積極的に支援していく。

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