「フォルダーオプション」は、Windowsエクスプローラーでのファイルやフォルダの表示方法などを構成するための設定だ。例えば、アプリ開発者やITエンジニアが使うコンピュータでは、ファイルの拡張子や隠しフォルダを表示させたいといったシナリオが考えられる。特に開発の現場では、複数のコンピュータを併用することも多く、使用するコンピュータが増えるたびに毎回このような設定を行っていたのでは、ストレスにもなるだろう。
「基本設定」の「フォルダーオプション」を使えば、そうした面倒な設定変更を何度も行う必要がなくなる。「フォルダーオプション」を構成するには、次の項目を構成する。
「グループポリシーの管理」管理ツールの左ペインで「ユーザーの構成」→「基本設定」→「コントロールパネルの設定」→「フォルダーオプション」を右クリックして、「新規作成」から特定のWindowsのバージョンをクリックすると、「新しいフォルダーオプションのプロパティ」画面が表示される(画面4)。
ここでのバージョン選択は、「Windows XP」または「Windows Vista以降」の二択だ。この設定画面も、前項で紹介した「インターネット設定」と同様、実際の操作画面と同じになっており、各項目について有効/無効を切り替えることができる。
Windowsには「電源オプション」という設定が用意されている。既定では、「バランス」「省電力」「高パフォーマンス」といった電源プランが存在し、プランごとに細かく値を変更できるようになっている。具体的には、「ディスプレイの電源を切るまでの時間」やノートPCなどでの「カバーを閉じたときの動作」などを定義できる。
昨今のIT環境においては、単なるコスト削減だけでなく、環境への配慮という意味も含めた省電力/節電の取り組みが重要視されている。このような動向から、組織の中で省電力のルールを決めて運用したいといったこともあるだろう。
「基本設定」の「電源オプション」を使えば、組織オリジナルの電源プランを定義して、クライアントのコンピュータに適用させることが可能だ。「電源オプション」を構成するには、次の項目を構成する。
「グループポリシーの管理」管理ツールの左ペインで「ユーザーの構成」または「コンピューターの構成」→「基本設定」→「コントロールパネルの設定」→「電源オプション」を右クリックして、「新規作成」から特定のWindowsのバージョンを選択と、「新しい電源プランのプロパティ」画面が表示される(画面5)。
Windowsのバージョンの選択肢は「Windows XP」または「Windows 7以降」になる。今回は、Windows 7以降のコンピュータに構成可能な電源プランについて解説する。
組織オリジナルの電源プランを定義する場合は、「新しい電源プランのプロパティ」画面の「操作」リストボックスで「作成」を選択し、その下の欄にプランの名前を入力して、各項目を定義していく。この時点で、クライアントコンピュータで電源オプションの一覧から「選択可能」な状態となる。
この電源プランを適用するには、「現在使用されている電源プランとして設定」のチェックボックスをオンにする。すると、次回のグループポリシー更新のタイミングで、オリジナルの電源プランが適用される。
今回は、「基本設定」の「コントロールパネルの設定」に焦点を当てて紹介した。通常のグループポリシー設定にもコントロールパネルに関連するポリシーが用意されているが、その多くは「○○を禁止する」や「××を変更できないようするにする」といった制御項目になる。
対して、「基本設定」では構成内容を定義して、まとめて適用できるため、コンピュータ構成の標準化という用途では非常に重宝する。また、次回以降のどこかで、「通常のグループポリシー設定」と「基本設定」の違いをまとめて解説するので、楽しみにしていてほしい。
株式会社ソフィアネットワークに所属。2009年よりマイクロソフト認定トレーナーとして、Windowsを中心としたサーバおよびクライアント管理、仮想化技術に関するトレーニングを提供している。無類の猫好き。共同執筆者である国井家で飼われている猫に夢中。
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