「うれしかったこと」は、上司や先輩から声を掛けてもらった場面ばかりではない。
【6】設計書に自分の名前も書いてあった
【7】自分が作った資料がプロジェクトメンバー全体に公開されたり、実際に使ってもらったりしていることを知った
【8】自分が作った「メニュー画面」が実際に動いているのを目の当たりにしたこと
「6」や「7」は、成果がきちんと認められた、自分の仕事が誰かの役に立った、と感じられた場面だ。
「8」の若者は、自分が作ったメニュー画面をユーザーが業務で活用しているのを見て、「ああ、自分がやったことは、こういうふうに世の中とつながっているのか」と初めて実感できたと話してくれた。
新入社員に割り当てられる仕事は、何につながるのか分かりにくい。全体像が説明されなかったり、説明されても、仕事に就いたばかりだと理解しづらかったりするからだ。だからこそ、自分の目で自分の仕事の成果を見て、やっと「仕事をした!」と思えたのだろう。
「うれしかったこと」には、こんな意見もあった。
【9】お客さまとの会議中に、「○○さんはどう思いますか?」と意見を求められた
【10】「次の会議は、○○さんも出てくれますよね」と言われた
「9」の若者は、「びっくりしたけれど、とてもうれしかった」と話してくれた。末席に座っていたのに、ちゃんとお客さまから一人前扱いしてもらったことは、身の引き締まる思いだったはずだ。
新入社員を受け入れる側は、どう振る舞えばよいのだろうか。
久しぶりに新入社員を採用した、久しぶりに新入社員が配属される、といったケースでは、上司も先輩社員も皆、「どう接したらいいのだろう?」と「わくわく」「どきどき」「そわそわ」しているに違いない。
次の若者の「うれしかったこと」は、そういう「そわそわ」や「どきどき」を軽減してくれる。年齢の差をあまり気にせず、堂々としていればよいのだと分かるからだ。
【11】幅広い年代の人と仕事をして、考え方の勉強になった
先輩については、こういうことも「うれしかった」らしい。
【12】目標とする先輩を見つけた
【13】「こんな人になれたらいいな」と思う人がOJT担当者だった
新入社員は、先輩の一挙手一投足をよく見ているものだ。見られる側は緊張するだろうが、目標にしてもらえたら自分の励みにもなるはずだ。
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