こんなことも知らないの?――新人は先輩のひと言に一喜一憂するものだ。今回の「言葉のチカラ」は新人を励ます言葉たちを紹介する。
人材育成歴30年の田中淳子さんが、人生の先輩たちから頂いた言葉の数々。時に励まし、時に慰め、時に彼女を勇気付けてきた言葉をエンジニアの皆さんにもお裾分けする本連載。
前回は、ミドル世代のエンジニアたちへのエールをお送りした。今回は、新入社員に送りたい言葉たちを紹介する。
新入社員がやってくる。
1990年から企業の新入社員研修を担当し、彼らの様子を「定点観測」してきた私の経験では、若者の本質は昔も今も変わらない。
今回は、私が若手向け研修、OJT担当者研修などで、参加者から聞いた「新入社員時代にうれしかったこと、戸惑ったこと」を、紹介する。新人にどのような言葉をかければいいのか分からないときに参考にしてほしい。
若手社員に、「入社後1年間の『うれしかったこと』と『戸惑ったこと』」を尋ねたら、多くの答えが返ってきた。
「うれしかったこと」には、こんなエピソードが寄せられた。
【1】「期待通りの人が配属されて、とてもうれしい」と上司が言ってくれた
【2】「こんなにスゴい資料を作ってくれるなんて、感涙です」と出張先の先輩からメールをもらった
こういう「褒め言葉」をもらえれば、新入社員に限らずうれしいに違いない。新入社員だとなおさらだ。
というのは、「戸惑ったこと」の方には、こういう意見もあったからだ。
【3】何をしても「当たり前」と思われてしまう
【4】自分が組織に貢献できていない気がする
【5】「こんなことも知らないの?」とアキれた口調で言われた
まだまだできないことが多い新入社員は、「自分がここにいていいのだろうか?」「迷惑を掛けていないだろうか」と不安を抱えている。だから「期待通り」「いい資料を作ってくれた」などと言ってもらえると、自分の存在価値を感じて「ほっ」とするはずだ。
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