OSS運用監視ソフト 注目の10製品徹底比較 2016年版実際に検証済み!OSS徹底比較(2)運用監視編【後編】(1/6 ページ)

運用監視をはじめ、多くの企業が取り入れているOSS(オープンソースソフトウェア)。目的に応じて最適なものを選択し、うまく使いこなせば強力な武器となるが、それができなければかえって手間や混乱の原因にもなりかねない。本連載では注目のOSSをピックアップして実際に検証し、基本的な優位性、劣位性を明確化した。ぜひOSSを選ぶ際の参考にしてほしい。

» 2016年05月19日 05時00分 公開
[池田大輔,TIS]

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 前編では比較的先進的な運用管理ツールを中心に取り上げたが、後編である本記事では開発開始から10年以上経過し、より成熟したOSSの運用管理ツールを中心に紹介する。

 今回は製品紹介とともに、最新のアップデート情報や、今後のさらなる開発の方向性といった点にも触れて紹介する。また、今回取り上げるツールについてはいずれも、TISのエンタープライズOSSサポートサービスにて重点的に扱っているツールとなっている。

 以下は、前編・後編でピックアップした10製品のリストだ。それぞれ選択に当たって比較しやすいよう、それぞれ「プロフィール」「特徴」「優位点と劣位点」「利用シチュエーション」という共通項目を立てて解説している。順に読み進めてもよいが、リスト中の製品名をクリックすると当該ページに飛ぶので、知りたい製品から読むこともできる。

製品名 ベンダー/コミュニティ 特徴
1 Sensu sensuapp.org エージェント型のサーバ監視ツール。各製品に対応したRubyプラグインを提供している。死活監視がメインで、監視対象機能をサーバ側から制御できる
2 Munin munin-monitoring.org エージェント型のサーバ監視ツール。Sensuと同様に各製品に対応したプラグインを提供している。こちらはリソース監視がメインとなっている
3 Xymon Xymon もともとはHobbitだったが、2008年5月17日にXymonに改名。死活・リソース監視に加えて、異常発生時にサーバ内部のプロセスの状態記録を記録できる
4 Pandora FMS PandoraFMS 2004年から提供されている古豪製品。標準的な機能を備えた死活監視ツールだが、GUIが整っており、ドキュメントも日本語化されている
5 Prometheus Prometheus Dockerの監視でも使われているメトリック型監視ツール。Go言語で開発されている。収集したメトリックを、数式を用いて解析する機能が搭載されている
6 Fluentd +InfluxDB+Grafana+ fluentd inflaxdata grafana ログや測定値を収集するFluentd、その収集した値を格納するKVSとなるInfluxDB、収集した値をグラフで可視化するGrafanaを組み合わせることでオリジナルの監視機能を生成することが可能
7 Hinemos NTTデータ 純国産の統合運用監視ソフトウェア。製品・マニュアルが日本語で提供されており、国内ベンダーのサポートも厚い
8 Zabbix Zabbix SIA 多機能かつ柔軟性の高いシステム監視ソフト。監視方法やグラフ変更などの自由度が高い。Ver 3.0では予測監視の機能も搭載された
9 JobScheduler Software und Organi-sationsService GmbH OSSのジョブ運用管理製品。海外では非常に大規模事例も存在する。国内での利用も拡大している
10 HyClops JobMonitoring TIS JobSchedulerのジョブ実行制御をZabbixで行うためのインターフェースとなる製品。商用の運用監視製品は監視+ジョブ実行となっていることが多く、OSSでもそれを実現するために開発された

製品カバー範囲比較

 選択した10製品の機能を、商用の統合運用監視製品の機能と比較した場合のカバー範囲イメージは以下と考えている(※表中の位置は製品のカバー範囲を意味しており、中心からの距離は製品の優劣を表現するものではない)。

機能範囲 詳細
1 死活監視・通知 OS、サービス、スイッチ、ストレージなどの死活と正常稼働を監視
2 稼働状況可視化 CPU、メモリ、ストレージ、ネットワークなどのリソース使用量を計測
3 ジョブ実行制御 システム運用ジョブの実行制御、サービスの起動停止などの運用作業自動化
4 予測監視 サーバやプロダクトのログやメトリック情報を収集し状態の変化を予測する
ALT 商用ツールと比較した各OSS製品のカバー範囲(※この図は製品の機能のカバー範囲を表現したものであり、製品の優劣を表現したものではない)

 では早速、次のページから各OSS製品のプロフィール、優位性/劣位性、利用シチュエーションを詳しく見ていこう。

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