Microsoftはオンプレミスの.NETアプリケーションからAzureへの移行を支援する新しいツールをリリースした。
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Microsoftは2024年1月3日(米国時間)、オンプレミスの.NETアプリケーションからAzureへの移行を支援する新しいツール「Azure Migrate application and code assessment tool for .NET」(AppCAT)をリリースした。AppCATは、アプリケーションの.NETソースコード、構成、バイナリを評価し、アプリケーションをAzureに移行する際の潜在的な問題を特定する。アプリケーションをAzureに移行する際に発生する可能性のある問題を発見し、最新のクラウドネイティブなソリューションを提案することで、パフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティを改善するのに役立つ。
AppCATは、コードとその依存関係の静的コード解析を通じて、アプリケーションテクノロジーの使用状況も明らかにする。また、注意が必要な行にジャンプしたり、対処済みの問題を修正済みとしてマークしたり、現在の状態を保存したりすることもできる。また、このツールはアプリのコンポーネントやプロジェクト全体だけでなく、各問題の修正にかかる労力を教えてくれる。さらに、問題の修正方法に関する詳細なガイダンスも提供する。
AppCATには、Visual Studio拡張機能版と.NET CLIツール版の2つの「フレーバー」がある。
以下の手順で、「Visual Studio」内からインストールする。または、Visual Studio Marketplaceから拡張機能をダウンロードしてインストールすることもできる。
ツールをインストールするには、CLIで次のコマンドを実行する。
dotnet tool install -g dotnet-appcat
ツールを更新するには、CLIで次のコマンドを実行する。
dotnet tool update -g dotnet-appcat
追加のNuGetフィードソースを設定している場合、このツールのインストールに失敗することがある。これらの失敗をエラーではなく警告として扱うには、「--ignore-failed-sources」パラメーターを使用する。
dotnet tool install -g --ignore-failed-sources dotnet-appcat
Visual Studio拡張機能での分析は、Solution Explorerウィンドウでプロジェクトまたはソリューションのいずれかを右クリックし、「Re-platform to Azure」を選択する。
ツールのウィンドウが開き、新しいレポートを作成するか、既存のレポートを開くことができる。
新規レポートの作成を選択した場合、次の画面でどのプロジェクトを分析するか選択できる。Webプロジェクトはあらかじめ選択されているが、プロジェクトの横にあるチェックボックスによって変更できる。ツールを実行すると、選択したプロジェクトが持つ依存関係も分析する。
次の画面では、ソースコードと設定だけを分析するか、コードが持つ全てのバイナリ依存関係を分析するかを選択できる。
分析ボタンをクリックし、ツールが分析を完了すると、ダッシュボードに結果が表示される。
CLIツールでの分析は、次のコマンドを実行する。
appcat analyze <APPLICATION_PATH>
ツールが生成するレポートファイルのパスとフォーマット(.html、.json、または.csv)の指定もできる。
appcat analyze <APPLICATION_PATH>--report MyAppReport --serializer html
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