続いて、ITエンジニアの仕事状況を見ていきましょう。
「ハローワークインターネットサービス」で、勤務地を「長野県」、希望する職種を「情報処理・通信技術者」として検索すると、7月26日現在で検索件数は290件、さらに、フリーワード「エンジニア」で絞ると134件ヒットしました。お隣の新潟県と比べると「1.5倍」もあります。
さすが「情報通信機械器具出荷額1位の県」です。
会社によって異なるので一概には言えませんが、私が働いていた長野のSIベンダーは、2000年ごろで「首都圏の案件が3割、長野の案件が7割」ぐらいでした。年を追うごとに、首都圏の案件の比重が増えていったように記憶しています。
私は首都圏の仕事を多くしていました。一括案件で、開発は長野で行い、納品時は東京、埼玉、千葉などで1〜2カ月ホテル暮らしをした経験や、常駐案件で、ウイークリーマンションに住みながら、東京の客先で1年間常駐してシステム開発をした経験もあります。席は長野にありましたが、長野にはいない時間も多くありました。
地方に住む私にとって、首都圏の仕事は環境的にも、技術的にも楽しく、刺激的でした。一方、長野への移住が目的の人にとっては、出張ばかりで「せっかく移住したのに……」と感じるかもしれません。働く場所が気になる人は、長野で職場を探す際に「どのような案件やクライアントが多いか」を事前に問い合わせたり、面談で質問したりするといいでしょう。
長野に腰を据えて働きたければ、地元企業の情報システム部などを転職先に選ぶといいかもしれません。また、行政機関のシステムに携わっている会社は、地元密着の印象があります。全国的に著名でなくても、地元密着型の企業はたくさんあるので、調べてみるといいでしょう。
「総務省 統計局」発表の「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、超過実労働時間数は、全国平均が「13時間」、東京が「12時間」、長野は「13時間」でした。
また、「ハッピー残業日本地図(出典:はたグラ)」によると、「残業時間が短く、時給が高い県」で長野は9位です。
私の経験では、IT業界の仕事は納品前やトラブル発生時の残業が多いし、仕事が首都圏の案件の場合は「長野だから残業が少ない」というわけではありませんでした。
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