長野編:都会に疲れたら田舎においで!――長野で働くエンジニアの給与、残業時間、求人数ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(8)(5/5 ページ)

» 2016年07月29日 05時00分 公開
前のページへ 1|2|3|4|5       

「長野で働く」ということ

 冒頭で書きましたように、私は新潟の中山間地に住んでいます。Uターン当初は新潟で転職先を探しましたが、「これ!」というところが見つけられませんでした。

 そして長野市で、何件かの転職候補が見つかりました。

 私が転職先を探した1998年当時は、今ほどインターネットの情報がありませんでした。今ならインターネットの情報や転職サイトがたくさんあります。中心市街地なら、仕事選びに困ることはそれほどないでしょう(年齢や経験による差はあります)。

 また、地方の場合、道路が混雑していないので、車で1時間走ると下道でも40キロほど移動できます。通勤時間だけで考えれば、中心市街地から多少離れていても通勤圏内になるので、「暮らしは自然が豊かなところで、仕事は中心市街地で……」といった選択肢もあります。

 実際、首都圏から移住した私の知人は、家は長野の森の中に建てて、仕事は街中で……という暮らし方をしています。都会に疲れたら、自然豊かな長野で働くという選択肢もいいのでは?

「長野で暮らす」の現実

 一方、頭に入れておきたいのが、長野の自然環境です。

 長野は大きく分けると、長野市をはじめとした「北信」、上田市をはじめとした「東信」、松本市をはじめとした「中信」、飯田市をはじめとした「南信」の4つのエリアに分けられます。

 北信は雪が多く、それ以外の地域は雪はそれほど積もりませんが寒いです。

北信では、一晩で1メートル近い雪が降ることも……

 暖房光熱費も考慮した方がよいポイントです。アパートやマンションならば首都圏とそれほど変わりませんが、一戸建ての場合は、「灯油代だけで月2万円」など、想像以上に暖房光熱費が掛かります。

 「自然が豊か」ということは、同時に、「自然の厳しさ」にも触れることでもあります。特に長野では、雪や寒さは頭に入れておきたいところです。

 もっとも、豊かさと厳しさは表と裏です。それらをトータルで考えたときに幸福だと感じる人が多いから、長野は「幸福度ランキング」が高いのではないでしょうか。

長野で働くことで「何を得たいのか」を考えよう

 各種データを基に長野の基礎情報や、エンジニアの仕事事情をみてきました。

 通常の就職や転職の場合、仕事を選ぶポイントは「仕事内容」や「給与」だと思います。

 一方、U&Iターンの場合は、「生活」「雰囲気」「人情」「気候」「風習」「店」「観光地」「首都圏アクセス」「アクティビティー」など、それ以外の理由も大きなウエイトを占める場合が多いでしょう。

 長野で働くなら、仕事内容や給与に加えて「何が得たいのか」「何が得られると今までより満足できそうか」をよく考えてみるとよいでしょう。

 「U&Iターンの理想と現実:長野編」、次回は長野に移住して働いているエンジニアのインタビューです。どうぞ、お楽しみに!

@IT式 U&Iターンスタイル

全国各地のU&Iターンエンジニアたちが、地方での生活の実情や所感などをセキララに伝えます。Uターン、Iターン、Jターンに興味のある方は、ぜひ参考にしてください。



筆者プロフィール

竹内義晴

しごとのみらい理事長 竹内義晴

「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。

著書「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。


前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

スポンサーからのお知らせPR

注目のテーマ

Microsoft & Windows最前線2025
AI for エンジニアリング
ローコード/ノーコード セントラル by @IT - ITエンジニアがビジネスの中心で活躍する組織へ
Cloud Native Central by @IT - スケーラブルな能力を組織に
システム開発ノウハウ 【発注ナビ】PR
あなたにおすすめの記事PR

RSSについて

アイティメディアIDについて

メールマガジン登録

@ITのメールマガジンは、 もちろん、すべて無料です。ぜひメールマガジンをご購読ください。