不本意な配置もバネにして――営業出身エンジニアが、20代で外資系IT企業のアナリストになれた理由まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(9)(1/3 ページ)

現在、アバナードでアナリストとして活躍中の濱口兼行さんは、SNSのようなサービスを作りたいとIT業界に入った。しかし、就職したのは企業向けシステムを開発するSI企業、配属は営業職だった――。

» 2016年08月03日 05時00分 公開

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 本連載「まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと」では、IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていきます。


アバナード ソフトウェアエンジニアリンググループ アナリスト 濱口兼行さん

 就職はキャリアの第一歩。それだけに、その後のキャリアをどのように形成していくかも考えて、就活を行う必要がある。

 1つの会社で経験を積み重ね、キャリアを築いていく方法もある。転職でキャリアアップを図ったり、キャリアの幅を広げたりする方法もある。

 今回お話を伺った濱口兼行さん(26歳)は、新卒で入社した企業でのさまざまな経験を、次のステップへと転職でつなげ、現在はアクセンチュアとマイクロソフトが合弁で設立した外資系IT企業「アバナード」で活躍しているエンジニアだ。

 IT業界でキャリアをどのように形成していくのか――濱口さんのストーリーは、就活生諸君の業界研究、企業研究の参考になるのではないだろうか。

シーラカンスDBに名を記すもIT業界を志望

 濱口さんは大学の水産学部で、海洋生物の研究をしていた。

 「海洋廃棄物に関する研究の一環として、エビやカニといった甲殻類の殻から、グルコサミンを分解するタンパク質の遺伝子を研究していました」

 さらに“生きた化石”とも呼ばれるシーラカンスの遺伝子の一部も解析した。その結果、世界中の研究者から参照されるシーラカンスの遺伝子データベースに、現在も、濱口さんの名前が記載されているという。

 そんな濱口さんが、なぜIT業界を目指すに至ったのだろうか。

 「当時、SNSで知り合ったメンバーたちが開催するいろいろなオフラインイベントに参加していました。人と人とがオンラインで知り合い、リアルな世界につながって、一緒に何かをするという流れがとても楽しかったのです」

 SNSのサービスとしての面白さに魅力を感じた濱口さんは、いつしか自分もそうしたサービスを作る仕事をしたいと思うようになった。プログラミングの知識こそなかったものの、心は次第にIT業界志望へと傾いていったという。

 そうして濱口さんが選んだのは、東証一部上場の大手SI企業だった。

 SNSではなく企業向けシステムの開発が主力の企業であったが、就活時の濱口さんには、その違いがあまりピンと来ていなかった。入社したのは2012年4月のことである。

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