長野編:本当の「どこでも働ける」エンジニアとは?――野尻湖で働くLIG 中田泰雄さんに、Iターンの理想と現実を聞いてみたITエンジニア U&Iターンの理想と現実(13)(3/4 ページ)

» 2016年09月30日 05時00分 公開

長野のライフスタイル

竹内 長野は期待通りの場所でしたか?

中田さん もともと、特別な「何か」を期待していたわけではないので、「まぁ、こんな感じ」という印象です。また、移住したからといって、自分が変わるとも思っていなかったので。

竹内 長野、特に信濃町は雪が深いところです。雪に対する印象はどうでしたか?

中田さん 雪の多さには驚きましたけれど、2015〜2016年の冬は雪が少なかったので、脅されていたほどではありませんでした。本当の厳しさは、まだ知らないのかもしれません。

竹内 除雪は大変ではありませんでしたか?

中田さん 車が出せればいいぐらいなので、それほど大変には感じませんでした。

竹内 通勤は車ですか? 交通の面で不便に感じることはありますか?

中田さん 車です。歩いても5分ぐらいの距離です。必要がなければあまり出かけないので、それほど不便には感じていないですね。

同僚とのシェアハウス生活

竹内 会社の同僚とシェアハウスに住んでいるとのことですが、24時間会社の人と一緒の生活ってどうですか?

中田さん 部屋が分かれているので、不満を感じることはないです。食事は一緒に食べることもあれば、食べないこともあります。基本は別々です。

竹内 シェアハウスの良いところは何ですか?

中田さん まだ地元の知り合いが少ないので、コミュニケーションをとる相手がいるのが良いです。雪を片付けるのも、1人では大変ですし(笑)。

竹内 会社の人といつも一緒だと、「仕事とプライベートの切り分けが難しいのでは?」と思うのですが、オンとオフの切り分けはどうしているんですか?

中田さん 切り分けは特にしないです。家で仕事をすることもありますし。

竹内 切り分けがないのなら、時間の管理はどうしているのですか? ……残業とか。

中田さん どうしても納期がせまっている時以外は、残業はなるべく行わないようにしています。LIGはチーム単位の独立採算で評価されるので、残業をすると自分たちの目標利益にも影響してしまいます。そのため、プロジェクトの予算範囲内で残業が収まるよう工夫しています。

 チームの雰囲気が自由なので、休憩時間に気分転換でスケボーをしたり、釣りをしたりするメンバーもいます。ある程度自由に自分たちの裁量で働ける分、目標が達成できないと給料にも影響します。そこはシビアに評価されます。

竹内 なるほど、結果重視なんですね。

技術力のブラッシュアップ@地方

竹内 続いて、技術力のブラッシュアップについて伺います。地方のエンジニアから「学ぶ機会が少ない」「東京には、いろんな勉強会があるけれど、地方は少ない」という声をよく聞きますが、どのようにお考えですか?

中田さん 僕、勉強会って勉強している感じがあまりしないんです。

竹内 あー、確かに(笑)。刺激にはなるけれど、「勉強になる」「技術力が身に付く」とは限りませんね。でもエンジニア同士の出会いになるのではないですか?

中田さん LIGでは月に1回、東京と長野をオンラインでつなぎ、ライトニングトークを同時中継する勉強会をやっています。長野市の会場には長野のエンジニアが集まりますし、松本市なども含めればエンジニアのイベントはいろいろありますので、出会いの機会はあります。

竹内 なるほど、作ろうと思えば出会いの機会はあるんですね。技術力のブラッシュアップとして、他に意識していることはありますか?

中田さん 本を読んで新しい知識を身に付けるなど……でしょうか。自社ブログのネタ探しとしても、本は読んでいます。

休日の過ごし方

竹内 休日は何をしているのですか?

中田さん こちらに友人が遊びに来るときは一緒に出掛けますし、月に1、2回は仕事に合わせて東京に行っています。

竹内 予定が何もないときは? 不便さや退屈さを感じることは?

中田さん 退屈なときはあります。東京だったら、何も予定がない土曜や日曜日でも、新宿や渋谷に出かけてふらっと本屋に入ったりすると、何かしら面白いことがあります。しかし、こちらだとそういうことができません。でも、平日は本当に良いところです。

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