「死にたい」と思うほど仕事でストレスを抱えたときに――最も大切なのは、あなた仕事が「つまんない」ままでいいの?(22)(2/4 ページ)

» 2016年10月19日 05時00分 公開

私が「死にたい」と思った2つの出来事

 私は仕事上の悩みで「死にたい」と思った経験が2回あります。行動にこそ移せませんでしたが、職場があったビルの屋上で、「今、ここから飛び降りたら楽になれるかな」……と思ったのは事実です。

 1回目は、29歳のときです。パートナー企業に頼んでいたシステム開発の仕事が、フタを空けてみたら全然進んでいないことが発覚。顧客への納期は2カ月後に迫っていました。仕方がないので私が開発を引き受けることになりました。他に助けてくれる人は誰もいません。他の仕事を全てキャンセルし、会社に寝袋を持ち込んで、寝泊まりしながらプログラムを作りました。

 2回目は、32歳で転職したときです。客先に常駐してシステム開発をする仕事で、威圧的なマネジメント、ギスギスした人間関係、失敗が許されない緊張感で、心身共に疲弊し、心が折れそうになってしまいました。

「精神的なツラさ」はホント苦しい

 1回目の体験は「肉体的なツラさ」でした。

 毎日遅くまで仕事をして、「あー、もう嫌だ! 逃げたい!」と何度も思いました。けれども、とにかくやらなければなりません。納期に対する精神的なプレッシャーも多少はありました。けれども、同僚や上司にいい人が多く、精神的な負担が少なかったのが救いでした。

 また、1回目のときは「ゴール」がありました。本当にきつかったけれど、「これさえ乗り切れば何とかなる」というゴールの存在が、ツラさを乗り越えさせてくれました。

 2回目の体験は「精神的なツラさ」でした。

 1回目のときに比べると労働時間はそれほど多くはありませんでした。けれども、人間関係がギスギスした職場に逃げ場はないし、「あなたにはスキルがない」と人格否定されたあの苦しさといったらなかったです。

 2回目は「ゴールがない」「先が見えない」というのも、苦しさに拍車を掛けました。「これがずーっと続くのか……」と思うと、本当に苦しかった。すぐに辞めるわけにもいきませんでしたし。結婚してすぐでしたし。

 今でこそ、「あれはいい経験だった」と思えますが、渦中にいるときは、本当につらかったなぁ……。私のこの経験からすると、仕事の負荷は「長時間でなければいい」とは一概には言えないようです。

 「精神的なツラさ」はホント、苦しいです。

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