【 shutdown 】コマンド――タイミングを指定してシステムを終了するLinux基本コマンドTips(78)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「shutdown」コマンドです。

» 2017年01月19日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、タイミングを指定してシステムを終了したり、再起動したりする「shutdown」コマンドです。

shutdownコマンドとは?

 shutdownは、システムを終了させるためのコマンドです。オプションで「終了(halt)」と「再起動(reboot)」、あるいは「○秒後」のように処理を実行するタイミングを指定することができます。

 shutdownは古くからあるコマンドですが、現在のCentOSやUbuntuでは、shutdownは「/usr/bin/systemctl」へのシンボリックリンクとなっています。オプションはそのまま使用することができます。


shutdownコマンドの書式

shutdown [オプション] [時刻]




shutdownコマンドの主なオプション

 shutdownコマンドの主なオプションは次の通りです。

短いオプション 長いオプション 意味
-P,-h --poweroff システムを終了して電源を切る(デフォルト)
-r --reboot システムを終了して再起動する
-H --halt システムを終了させる
-k システムを終了せず、ログイン中の端末にメッセージだけを送る
--no-wall シャットダウン実行時のメッセージを送らない
-c システム終了をキャンセルする(時刻に「+0」や「now」を指定して即時終了している場合は無効)


システムをシャットダウンして電源を切る

 「shutdown」で、1分後にシステムがシャットダウンし、電源が切断されます。なお、shutdownコマンドの実行にはroot権限が必要です。

 shutdownコマンドを実行すると、シャットダウンする予定時刻が画面に表示されます。予定時刻前であれば、[Enter]キーでプロンプトを表示して、「shutdown -c」でシャットダウンをキャンセルすることができます。

コマンド実行例

shutdown

(1分後にシステムをシャットダウンする)(画面1

shutdown -c

(シャットダウンをキャンセルする)(画面1


画面1 画面1 「shutdown」コマンドを実行後、[Enter]キーでプロンプトを表示して、「shutdown -c」でキャンセルした


時刻を指定してシステムをシャットダウンして電源を切る

 「shutdown 時刻」で、指定した時刻にシステムをシャットダウンすることができます。また、「+10」で10秒後、「now」で即時のように、シャットダウンのタイミングを指定することも可能です。

 なお、時刻を指定した場合も、指定したタイミングより前であれば「shutdown -c」でキャンセルできます。

コマンド実行例

shutdown 18:30

(18時30分にシステムをシャットダウンする)(画面2

shutdown +10

(10秒後にシステムをシャットダウンする)


画面2 画面2 「shutdown 18:30」で、18時30分にシステムをシャットダウンするように指定した


直ちに再起動する

 shutdownコマンドの動作は、「-h(シャットダウンして電源を切る:デフォルト)」「-H(シャットダウンだけを行い、電源は切らない)」「-r(シャットダウンして再起動する)」のオプションを指定することで切り替えることができます。

 直ちに再起動したい場合は、「shutdown -r now」のように実行します。これは、「reboot」コマンドと同じ動作になります(本連載第4回参照)。

コマンド実行例

shutdown -r now

(メッセージ等は表示されず、直ちに再起動処理が始まる)




シャットダウンやキャンセル時のメッセージを表示しない

 shutdownコマンド実行時、あるいは時刻を指定した場合は、予定された時刻が近づくと、ログインしている他の端末にメッセージが送信されます。また、「-c」オプションでキャンセルした場合も、キャンセルした旨のメッセージが表示されます。

 これらのメッセージを表示したくない場合は、「--no-wall」オプションを指定します。

コマンド実行例

shutdown -c --no-wall

(シャットダウンやキャンセル時のメッセージを表示しない)(画面3〜5


画面3 画面3 18時30分にシャットダウンを実行(予定時刻までまだ時間があるのでシャットダウンのメッセージは表示されない)。その後キャンセルした
画面4 画面4 別の端末に、キャンセルしたときのメッセージが表示された([Enter]キーでプロンプトが表示される)
画面5 画面5 「--no-wall」オプションでキャンセル時のメッセージを表示しないようにした


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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