本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「wall」コマンドです。
本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、ログインしている端末(ターミナル)に一斉にメッセージを送る「wall」コマンドです。
「wall」は、ログインしている全てのユーザーの「端末(ターミナル)」に一斉にメッセージを送信するコマンドです。
wall [メッセージ]
wallコマンドには特にオプションはありませんが、Ubuntu 15に収録されているwallコマンド(wall from util-linux 2.26.2)では、タイムアウトの秒数を指定する「--timeout(-t)」オプションや「--help(-h)」「--version(-V)」を使用できます。
「wall メッセージ」で、現在ログインしている全てのユーザーの端末にメッセージを送信します。
メッセージを受け取った端末では、「Broadcast message from ユーザー名@ホスト名(端末)(時刻)」に続いて、メッセージが表示されます。[Enter]キーを押すとプロンプトが表示され、元の作業に戻ることができます。
wall メッセージ
(現在ログインしている全ての端末にメッセージを送信する)(画面1〜3)
なお、メッセージが表示されるのは「端末(ターミナル)」であり、GUI(Graphical User Interface)環境でログインしているユーザーの場合、端末(ターミナル)プログラムを開いていないとメッセージは表示されません。
「wall」を単独で実行すると、キーボードからの入力待ちとなります。[Ctrl]+[D]キーで、入力したメッセージが送信されます。なお、[Ctrl]+[D]は「End Of File」を送信するキー操作です。
wall
(キーボードからの入力を待つ)(画面4〜5)
メッセージを書いたテキストファイルを用意しておいて、「wall < ファイル」で送信することができます。
wall < ファイル
(ファイルに記述したメッセージを送信する)(画面6〜7)
筆者が試した限り、CentOS 7に収録されているwallコマンド(wall 2.79 12-Sep-2000、sysvinit-toolsパッケージ収録)では、日本語のメッセージが文字化けするようです(画面8)。
Ubuntu 15に収録されているwallコマンド(wall from util-linux 2.26.2)では、日本語は問題なく送信できました(画面9)。
PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.