本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「reboot」コマンドと「poweroff」コマンドです。
本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、Linux OSを再起動する「reboot」コマンドと、OSをシャットダウンして電源をオフにする「poweroff」コマンドです。
rebootは直ちにLinux OSをシャットダウンして再起動するコマンド、poweroffはOSをシャットダウンして電源を切るコマンドです。
rebootコマンド/poweroffコマンドのオプションは次の通りです。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-f | --force | 強制的に再起動または電源をオフにする |
コマンドラインからLinuxを再起動したり、PCの電源をオフにしたりする場合、伝統的には「shutdown」コマンドを使用します。しかし、shutdownコマンドは「スーパーユーザー」しか利用が許可されておらず、一般ユーザーはパスワードを入力しないと実行できません。
個人用のLinux PCの場合、デスクトップのメニューから簡単に再起動や電源をオフできるように、rebootコマンドやpoweroffコマンドを使うことで、一般ユーザーでもコマンドから手軽に再起動や電源オフが実行できます。
rebootコマンド/poweroffコマンドを実行すると、直ちに再起動/シャットダウンが開始します。
reboot
poweroff
CentOSやUbuntuなど比較的新しいバージョンのLinux OSでは、rebootコマンドとpoweroffコマンドは共に「/usr/bin/systemctl」への「シンボリックリンク」となっています。
シンボリックリンクを簡単に説明しておくと、ファイルに別の名前を設定して、その別名で元のファイルへアクセスができるようにする仕組みです。シンボリックリンクについては、筆者の連載『“応用力”をつけるためのLinux再入門』で詳しく解説する予定です。
「systemctl」はシステムサービスを管理するコマンドで、実行名によって動作が切り替わるようになっています。
「systemctl」へのシンボリックリンクとなっているコマンドは他にもあります。興味がある方は、以下の「ls」コマンドを実行して調べてみてください。
以下に、シンボリックリンクを調べるためのlsコマンドの実行例と実行結果を示します(画面1)。このlsコマンドでは「-l」オプション(詳細情報表示)を付けて実行し、その実行結果をパイプで「grep」コマンドに渡し、grepコマンドで「systemctl」という文字が含まれている行だけを表示する、という意味になります。
ls -l /usr/sbin/ | grep systemctl
PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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