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» 2017年01月19日 05時00分 公開

Unity+Vuforiaで3プラットフォームに対応したARコンテンツを作る基本Unityで始めるVR/AR開発入門(4)(4/4 ページ)

[薬師寺国安,PROJECT KySS]
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PC、Android、Gear VRの3デバイスでARコンテンツを実行する

 ここからは、完成したARコンテンツをPC、Android、Gear VRの3デバイスで実行してみよう。

PCのカメラで表示する

 まずは、PCのカメラで表示させてみよう。画像を印刷しておいた紙を平面の上に置いて、画像が映るようにPCのカメラの位置をセットする。この状態で実行すると、Unityロゴの上にユニティちゃんが表示され、音楽とともに踊り始める(図19)。マーカーとなる台紙を移動させると、それに伴ってユニティちゃんも移動する。

図19 ロゴ画像の上でユニティちゃんが踊る

 動画は動画1のようになる。

動画1 ユニティちゃんARロックステージ動画

Android端末のカメラで表示する

 次にAndroid端末で表示させてみよう。Android端末で表示させるには、連載第1回でも説明したが、Unityをインストールする際に、「Choose Component」画面で「Android Build Support」を選択しておく必要がある。

 筆者が使用しているAndroid端末は「Galaxy S6」という端末だ。この端末で表示させてみよう。

 Unityメニューの「File」→「BuildSettings」とたどる。表示される画面から、「Add Open Scene」ボタンを押して、「ユニティちゃんARロックステージ」を追加する。先に追加されていた「Scenes/Main」のチェックは外す(図20)。

図20 「BuildSettings」を設定する

 図20の「Build」をクリックすると、保存するファイル名を尋ねてくるので、今回は「UnityARRockStage」と指定した。拡張子は自動的に「.apk」という拡張子が付加される。

 ファイル名の指定画面に表示されている「保存」ボタンをクリックすると、書き出しが開始される。これには結構時間がかかるので、じっくりと待ってほしい。エラーがある場合は、途中で書き出しが停止する。その場合は、コンソール画面にエラー箇所が表示されるので、修正して再度書き出しを行う。

 書き出しが完了すると、「UnityARRockStage.apk」ファイルが作成される。

 PCとAndroid端末をUSBで接続しよう。作成された「UnityARRockStage.apk」ファイルを、Android端末の適当なフォルダにコピーして、インストールを行う。筆者の場合は下記のような画面になる(図21)。

図21 Android端末(Galaxy S6)にインストールを開始する画面

 「インストール」をタップするとインストールが開始される(図22)。

図22 インストールが開始された

 瞬く間にインストールは完了する(図23)。

図23 インストールが完了した

 図23で、「開く」をタップし、印刷しておいたマーカー用画像をカメラで写す。すると、ユニティちゃんが表示されて音楽とともに踊りだす。

 ただ、原因は不明なのだが、ユニティちゃんを表示させた場合だけ、ユニティちゃんの3Dモデルが乱れて表示される(図24)。

図24 ユニティちゃんが表示され音楽とともに踊りだすが、画像が乱れている

 このロックステージだけではなく、他のユニティちゃんのサンプルの場合も乱れる。ユニティちゃん以外の3Dモデルも幾つか試してみたが、ここまで乱れることはなかった。この原因は、UnitychanShaderはモバイル端末だと性能的に処理が追い付かないので、このような現象が発生するということだ。

 解決方法としては、「ARCamera」の子要素である「Camera」の「Near」を「0.01」、「Far」を「500」程度に設定する(図25)。

図25 ARCameraの子要素Cameraの「Near」と「Far」の値を変更した

 すると、図26のように多少は、乱れが収まってくる。しかし、端末をマーカーから遠く話すとユニティちゃんが表示されなくなるので、注意が必要だ。Galaxy S6に書き出した後は、元の値に戻しておいた方がいいだろう。元の値は「Near」が「0.05」で「Far」が「2000」となっている。

図26 図25の設定にして画像の乱れが少し収まった

Gear VRで表示する

 最後に、Gear VRで表示してみよう。

 Gear VRで表示するには、以下の3つの手順を実行しておく必要がある。詳細については、連載第2回を参照してほしい。

  1. 「oculussing_デバイスID名」ファイルのインポート
  2. ダウンロードした「Oculus Utilities for Unity 5」の「OculusUtilities.unitypackage」のインポート
  3. 「戻る」ボタンの実装

 1で作成する「Plugins」と「Android」というフォルダは既に存在しているので、「assets」というフォルダだけを追加して、「oculussing_デバイスID名」ファイルを入れておくといい。

 上記手順を終えるとUnityメニューの「BuildSettings」を行う。これも既に解説済みなので、前回記事を参照してほしい。

 前回記事と異なるのは、「Multithreaded Rendering」にチェックを入れておく必要がある点だ。他は前回記事と同じ設定を行うといいだろう。

 「PlayerSettings」の「Identification」の「Bundle Identifier」には、適当な名前を指定するといいだろう。Galaxy S6にデプロイする場合のファイル名は、今回は「Gear_VR_UnityARRock」とした。

 PCとGalaxy S6を接続しデプロイが終わると、Galaxy S6をGear VRにセットするようメッセージが出るので、セットする。

 では、実際にGear VRでマーカーを見てユニティちゃんロックを表示させてみよう。この場合も、ユニティちゃんの画像が乱れるので、図25で設定したARCameraの子要素Cameraの「Near」を「0.01」に、「Far」を「1000」に設定してみた。しかし、若干画像の乱れは発生する(図27)。

図27 Gear VRでマーカー上にユニティロックを表示させた

 実際に見える様子は、動画2のようになる。

動画2 Gear VRでユニティちゃんロックをマーカー上に表示させた

次回は、Vuforia Object Scannerを使って立体マーカーにオブジェクトを表示

 今回はこれで終わりだ。PCのカメラ、Galaxy S6、Gear VRの3デバイスでの表示方法を紹介した。ロックステージで使用できる素材が、ユニティちゃんしかないので、ユニティちゃんを使用したが、ユニティちゃんの場合は画像が乱れるので、読者の皆さんは、Asset Storeから無料の3Dモデルをインポートして、単に表示させることだけをやってみるといいかもしれない。

 次回は、Vuforia Object Scannerを使って「マウス」をスキャンして、その「マウス」にUnityからパーティクルを表示させてみるので、楽しみにしてほしい。

ユニティちゃんライセンス

このコンテンツは、『ユニティちゃんライセンス』で提供されています

著者プロフィール

薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。

1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。

1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。

2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。

Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。

Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。

Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。


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