では感情は、どのようにしたら受け入れられるのでしょうか。
筆者の経験則として、感情を受け入れるためには、「受け入れよう」と心の中で思うだけよりも「言葉」を使った方が効果的です。
知人のカウンセラーは、ネガティブな感情や思考が生じたときに、「○○してもいい」とつぶやくことを勧めています。
「ムカついてもいい」「緊張してもいい」「ダメな私でもいい」「言えなくてもいい」「うまくいかなくてもいい」のように、感情的になっている自分を、もう1人の自分が「分かってあげる」、あるいは「許可を出す」イメージです。
以前書いた「口グセ」が作る新しい思考習慣という記事で、語尾に「ありがたいな〜」を付ける方法を紹介しました。これも結構便利です。
言葉が「ありがとう」だからといって、「感謝しよう」なんて思う必要は一切ありません。嫌な気分ならその気分のままでOK。「あー、ムカつく。ありがたいな〜」のようにつぶやくと、結構楽になれます。詳しくは、記事を読んでみてください。
感情は、危険から身を守るために、また、頭の中で描いている「理想」と「現実」のギャップを知らせるために自然と発生します。感情を意識の力でコントロールするのは難しいし、「感じないようにしよう」「考えないようにしよう」とするとますます意識してしまいます。
感情をコントロールしたいなら、「拒否する」から「受け入れる」に姿勢に変えましょう。「無駄な抵抗」をやめれば、感情は自然とコントロールしやすくなるでしょう。
感情を受け入れたら、次のステップは「鎮める」です。次回(4月21日掲載)は、5段階感情コントロールのステップ3「感情の鎮め方」をお話しします。
竹内義晴著 すばる舎 1566円(税込み)
自分の「感情スイッチ」を探し、より実践しやすい感情スイッチの切り替え方を、[気付く→受け入れる→鎮める→切り替える→活かす]の5つのステップで紹介していく
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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