NVIDIAとArmがディープラーニングで提携――NVDLAをProject Trilliumに適用へIoTへのディープラーニング導入を加速か

NVIDIAとArmは、モバイル機器やIoT機器などへのディープラーニング導入に向けて提携し、NVIDIA Deep Learning AcceleratorをArmのProject Trilliumに適用すると発表した。両社は、「IoTチップ企業による自社製品へのAI導入を容易にする」としている。

» 2018年03月29日 08時00分 公開
[@IT]

 NVIDIAとArmは2018年3月27日、モバイル機器や家電製品、IoT(Internet of Things)機器へのディープラーニング導入に向けて提携すると発表した。「NVIDIA Deep Learning Accelerator(NVDLA)」をArmの「Project Trillium」に適用する。両社は、今回の提携により「IoTチップ企業による自社製品へのAI(人工知能)導入を容易にする」としている。

 NVDLAは、ディープラーニング推論をハードウェアで実行するためのアーキテクチャ。ハードウェアはモジュラー構造を採り、ソフトウェアとしてはコンパイラなどの開発ツールや実行環境を用意する。

 一方、Project Trilliumは、機械学習やニューラルネットワークに向けたArmのプロセッサIP(Intellectual Property:設計情報)群。主にエッジデバイスに機械学習機能をもたらし、物体検出などの演算機能を備える。

 今回の提携により、NVIDIAが自動運転車向けに開発したSoC(System on a Chip)「Xavier」に加え、Project TrilliumのArmプロセッサを採用するシステムでも、NVDLAを活用すればディープラーニングを実装できるようになる。

 NVIDIAで自律型マシン担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーを務めるDeepu Talla氏は「デーブラーニングは、将来あらゆるIoT機器にとって中核的機能になるだろう。今回のArmとの提携は、数百社のチップ企業にとって、ディープラーニング技術の手軽な導入を実現するものだ」と述べている。

 一方、Armの取締役副社長でIPグループ担当社長を務めるRene Haas氏は、「『1兆台のIoT機器をインターネットに接続する』という当社のビジョンを実現するには、エッジでのAI採用の促進が不可欠だ。Project TrilliumにNVDLAを取り入れることで、そのビジョンにまた一歩近づくことができた」と述べた。

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