【 who 】コマンド――ログイン中のユーザーを一覧表示するLinux基本コマンドTips(225)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ログイン中のユーザーを一覧表示する「who」コマンドです。

» 2018年07月20日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回はログイン中のユーザーを一覧表示する「who」コマンドです。

whoコマンドとは?

 「who」は、システムに誰がログインしているかを表示するコマンドです。「/var/run/utmp」の情報に基づいています。

 whoと同様なコマンドに「w」(連載第226回)があります(※1)。

※1 wコマンドはprocps-ngパッケージに収録されているコマンド。ログイン中のユーザーが実行しているプロセスや利用したCPU時間なども同時に表示する。なお、whoコマンドはcoreutilsパッケージに収録されている。





whoコマンドの書式

who [オプション]

※[ ]は省略可能な引数を示しています





whoの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-a --all 全ての情報を表示する。「-b -d --login -p -r -t -T -u」相当(※2)
-b --boot 現在ログインしているシステムが起動した時刻を表示する
-d --dead 終了したプロセスを表示する
-H --heading ヘッダ行を表示する
-l --login システムのログインプロセスを表示する
--lookup 正式なホスト名をDNSから取得して表示する
-m 標準入力に関連付けられたホスト名とユーザーのみを表示する(※3)
-q --count ログイン中のユーザーのログイン名とユーザー数を表示する
-r --runlevel 現在のランレベルを表示する(※4)
-s --short 名前と端末、ログインした時刻のみを表示する(デフォルト)
-T,-w --mesg,--message,--writable ユーザーがメッセージを受け取れる状態かどうかを表示する(※5)
-u --users ログイン以降のアイドルタイム(IDLE列)を表示する(過去1分以内にアクティブな場合は「.」、24時間以上使用されていない場合は「old」と表示)

※2 「-t」はシステムの時刻を変更した時間、「-p」はinitによって起動されたプロセスを表示するオプションだが機能していない。
※3 任意の引数2つを指定すると「who -m」相当として動作する。例えば「who am i」を実行すると自分のログイン名と端末が表示される(引数の内容は任意なので「who aaa bbb」でも同じ結果になる)。
※4 ランレベルについては第5回を参照。
※5 「+」が表示されているユーザーの端末には、例えばwallコマンド(第79回)で送ったメッセージが表示される。





ログイン中のユーザーを一覧表示する

 「who」を実行すると、現在ログインしているユーザーのログイン名と使用している端末、ログイン時刻、どこからログインしているかを表示します(画面1)。

コマンド実行例

who

(現在ログインしているユーザーと使用している端末を一覧表示する)(画面1


画面1 画面1 whoコマンドを実行してユーザーの一覧を表示したところ


自分の情報だけを表示する

 「who -m」は、whoコマンドを実行したユーザーの名前と端末のみを表します(画面2)。

 「who am i」も同じ内容を表示します。これは任意の2つの引数を指定すると「who -m」として動作するためです。

コマンド実行例

who -m

(whoコマンドを実行しているユーザーの名前と端末を表示する)(画面2

who am i

(「who -m」と同じ)(画面2


画面2 画面2 whoコマンドを実行したユーザーの情報のみを表示したところ

 なお、whoコマンドが表示するのは「ログイン名」です。「su」コマンド(第67回)などで別のユーザーとして実行している場合もログイン名を表示します(画面3)。これに対し、自分の名前と所属するグループを表示する「whoami」コマンド(第69回)では、現在のユーザー名を表示します。

画面3 画面3 whoコマンドとwhoamiコマンドの違いを示したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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