【 w 】コマンド――ログインしているユーザーと実行中のプロセスを表示するLinux基本コマンドTips(226)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ログインしているユーザーとユーザーが実行中のプロセスを表示する「w」コマンドです。

» 2018年07月26日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。ログインしているユーザーとユーザーが実行中のプロセスを表示する「w」コマンドです。

wコマンドとは?

 「w」はシステムに現在誰がログインしており、何を実行しているのかを表示するコマンドです。「/var/run/utmp」および「/proc」の情報に基づいて出力します。

 ログインユーザーの一覧を表示するコマンドには他に、「who」(連載第225回)があります(※1)。

※1 whoコマンドはcoreutilsパッケージに収録されているコマンド。実行中のプロセスを表示する機能はない。wコマンドはprocps-ngパッケージに収録。





wコマンドの書式

w [オプション] [ユーザー名]

※[ ]は省略可能な引数を示しています





wの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-h --no-header ヘッダを表示しない
-u --no-current 現在のプロセス時間とCPU時間を計算する際に、ログイン名と現在のユーザー名の違いを無視する
-s --short 短く表示する(ログイン時刻、CPU使用時間を表示しない)
-f --from リモートホスト名を表示しない(※2)

※2 デフォルトで表示されないシステムの場合は、-fでリモートホスト名を表示する。





ログインユーザーのログイン名と実行中のプロセスを表示する

 「w」は、1行目にヘッダ、2行目以降にログイン中のユーザーごとに情報を表示します(画面1)。

 ヘッダ情報には左から現在の時刻とシステムの稼働時間、現在ログインしているユーザーの数、システムの平均負荷(過去1分間、5分間、15分間)を表示します。

 ユーザーごとの情報は、左から現在ログインしているユーザーのログイン名(USER)と端末(TTY)、リモートホスト(FROM)、ログイン時刻(LOGIN@)、アイドル時間(IDLE)、その端末で実行した全プロセスが使った時間(JCPU)、カレントプロセスが使用した時間(PCPU)、現在実行中のプロセス(WHAT)です。

 プロセス(WHAT)の表示量を多くしたいときは、「w -s」でログイン時刻とJCPU、PCPUの表示を省略します。

コマンド実行例

w

(現在ログインしているユーザーのログイン名と実行中のプロセスを表示する)(画面1)

w -s

(wと同様の内容を短く表示する)(画面1


画面1 画面1 ログインユーザーの一覧と各ログインユーザーが現在実行している内容を表示したところ

 whoコマンドは「ログイン名」を表示します。そのため、「su」コマンド(第67回)などで別のユーザーとして実行した場合も、ログイン名を表示します(画面2)。

画面2 画面2 wコマンドはスーパーユーザーで実行した場合もログイン名を表示する


特定のユーザーの情報を表示する

 「w ログイン名」で、指定したユーザーの情報だけを表示します(画面3)。複数のユーザーの情報を表示したい場合は、「w ログイン名1 ログイン名2 ログイン名3」のように空白で区切ります。

コマンド実行例

w ログイン名1 ログイン名2 ログイン名3

(指定したユーザーの情報だけを表示する)

w penguin

(ユーザー「penguin」の情報だけを表示する)(画面3


画面3 画面3 特定のユーザーの情報だけを表示したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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