本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、ログインしているユーザーとユーザーが実行中のプロセスを表示する「w」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。ログインしているユーザーとユーザーが実行中のプロセスを表示する「w」コマンドです。
「w」はシステムに現在誰がログインしており、何を実行しているのかを表示するコマンドです。「/var/run/utmp」および「/proc」の情報に基づいて出力します。
ログインユーザーの一覧を表示するコマンドには他に、「who」(連載第225回)があります(※1)。
※1 whoコマンドはcoreutilsパッケージに収録されているコマンド。実行中のプロセスを表示する機能はない。wコマンドはprocps-ngパッケージに収録。
w [オプション] [ユーザー名]
※[ ]は省略可能な引数を示しています
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-h | --no-header | ヘッダを表示しない |
-u | --no-current | 現在のプロセス時間とCPU時間を計算する際に、ログイン名と現在のユーザー名の違いを無視する |
-s | --short | 短く表示する(ログイン時刻、CPU使用時間を表示しない) |
-f | --from | リモートホスト名を表示しない(※2) |
※2 デフォルトで表示されないシステムの場合は、-fでリモートホスト名を表示する。
「w」は、1行目にヘッダ、2行目以降にログイン中のユーザーごとに情報を表示します(画面1)。
ヘッダ情報には左から現在の時刻とシステムの稼働時間、現在ログインしているユーザーの数、システムの平均負荷(過去1分間、5分間、15分間)を表示します。
ユーザーごとの情報は、左から現在ログインしているユーザーのログイン名(USER)と端末(TTY)、リモートホスト(FROM)、ログイン時刻(LOGIN@)、アイドル時間(IDLE)、その端末で実行した全プロセスが使った時間(JCPU)、カレントプロセスが使用した時間(PCPU)、現在実行中のプロセス(WHAT)です。
プロセス(WHAT)の表示量を多くしたいときは、「w -s」でログイン時刻とJCPU、PCPUの表示を省略します。
w
(現在ログインしているユーザーのログイン名と実行中のプロセスを表示する)(画面1)
w -s
(wと同様の内容を短く表示する)(画面1)
whoコマンドは「ログイン名」を表示します。そのため、「su」コマンド(第67回)などで別のユーザーとして実行した場合も、ログイン名を表示します(画面2)。
「w ログイン名」で、指定したユーザーの情報だけを表示します(画面3)。複数のユーザーの情報を表示したい場合は、「w ログイン名1 ログイン名2 ログイン名3」のように空白で区切ります。
w ログイン名1 ログイン名2 ログイン名3
(指定したユーザーの情報だけを表示する)
w penguin
(ユーザー「penguin」の情報だけを表示する)(画面3)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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