本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、yumコマンドとrpmコマンドでファイルのインストール元パッケージを探し、パッケージのバージョンを確認する方法です。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「yum」コマンドと「rpm」コマンドでファイルのインストール元パッケージを探し、パッケージのバージョンを確認する方法です。
「yum」と「rpm」は、Red Hat系のシステムで使われている“RPMパッケージ”を扱うパッケージ管理コマンドです。
rpmコマンドの方が古く、yumコマンドはインストール時の依存関係の解決や、システムの更新などの点で改良が加えられています。パッケージのインストールやアンインストール、更新ではyumコマンドを用いた方がよいでしょう。
連載第42回(基礎編)ソフトウェア(パッケージ)をインストールする/アンインストールする
第43回(応用編)ファイルから収録パッケージを調べる
第44回(応用編その2)プログラムグループのリストを表示する
第45回(応用編その3)パッケージ/システムをアップデートする
第50回(応用編その4)パッケージファイル(RPMファイル)を使ってインストールする
第47回(基礎編)RPMパッケージをインストールする/アンインストールする
第48回(応用編その1)パッケージの情報を調べる(1)
第49回(応用編その2)パッケージの情報を調べる(2)
なお、第246回では“debパッケージ”について、コマンドのインストール元パッケージとバージョンを確認します。紹介するコマンドは「dpkg」「apt-file」「apt-show-versions」です。
yum [オプション] コマンド [パッケージ名など]
rpm コマンドオプション [その他のオプション] [パッケージ名など]
※[ ]は省略可能な引数を示しています
rpmコマンドで、コマンドのインストール元パッケージを探すには、「rpm -qf コマンド」のように実行します(画面1)。コマンドは必ずフルパスで指定してください。
「-q」はパッケージの情報を表示する際に使用するオプションで、「-f」はファイル名を指定するオプションです。コマンドに限らず、パッケージからインストールされたファイルを全て指定可能です。
rpm -qf コマンド
(指定したコマンドを提供するパッケージを表示する、コマンドをフルパスで指定)
yumコマンドで、コマンドのインストール元パッケージを探すには、「yum provides コマンド」のようにします(画面2)。
「provides」は、「ファイルなどを指定して、該当するファイルを提供するパッケージを検索する」という意味です。コマンドに限らず指定でき、パスを指定しても、指定しなくてもどちらでも構いません。
なお、providesを指定して分かるのは、どのパッケージから提供されているかだけです。システムに現在インストールされているかどうかは分かりません。
システムに現在インストールされているパッケージを一覧表示するには「yum list installed」を使います。コマンド例のように、出力結果を、grepコマンドで絞り込むとよいでしょう。
yum provides コマンド名
(指定したコマンドを提供するパッケージを表示する)
yum list installed | grep パッケージ名
(インストール済パッケージを一覧表示し、パッケージ名で絞り込む)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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