【 rpm 】コマンド(基礎編)――RPMパッケージをインストールする/アンインストールするLinux基本コマンドTips(47)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「rpm」コマンドの基礎を解説します。

» 2016年09月13日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]

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 本連載では、Linuxの基本的なコマンドについて、基本的な書式からオプション、具体的な実行例までを分かりやすく紹介していきます。今回は、パッケージのインストールやアップデート、アンインストールを行う「rpm」コマンドの基礎編です。

rpmコマンドとは?

 「rpm」は、Red Hat系のLinuxディストリビューションで使われている“RPM(Red Hat Package Manager)パッケージ”を扱うことができるパッケージ管理コマンドです。

 RPMの作法に従ってインストールしたソフトウェアは、「RPMデータベース」と呼ばれるデータベースで管理されます。RPMデータベースを参照することで、現在、システムにインストールされているパッケージやそのバージョンなどが分かるようになっています。アンインストールする際も、このRPMデータベースの情報が使われます。

 なお、CentOSなどで使われている「Yum」というパッケージ管理システム(コマンド名:yum)も、RPMデータベースを参照しています(本連載第42回参照)。


書式

rpmコマンドの書式

rpm コマンドオプション [その他オプション] [パッケージ名など]

※[ ]は省略可能な引数を示しています



rpmコマンドの基本操作(パッケージ操作関係)

rpm -ivh パッケージファイル名

(パッケージをインストールする)

rpm -Uvh パッケージファイル名

(パッケージを更新する)

rpm -evh パッケージ名

(パッケージをアンインストールする)

※「-v」は処理中のパッケージ名を、「-h」は進捗状況を表示するオプション





rpmコマンドの主なオプション

 rpmコマンドの主なオプションは次の通りです。

●コマンドオプション
短いオプション 長いオプション 意味
-i --install パッケージファイル名 パッケージをインストールする
-U --upgrade パッケージファイル名 パッケージをアップグレードする(「--install」と同じオプションが使用可能)
-F --freshen パッケージファイル名 以前のバージョンがインストールされているときのみパッケージをアップグレードする
-e --erase パッケージ パッケージをアンインストール(削除)する
-q --query 問い合わせ(パッケージ情報の表示と検索)
-V --verify パッケージを検査する

●共通のオプション(-i、-U、-qなどと同時に使用)
短いオプション 長いオプション 意味
-v 情報表示を増やす
-vv 「-v」指定時よりも詳細な情報を表示する(デバッグ用)
--quiet 情報表示を減らす(エラーメッセージのみになる)

●インストール/更新/削除時に使用できる共通オプション
短いオプション 長いオプション 意味
-h --hash インストール時の経過を「#」マーク(ハッシュマーク)で表示する
--test 実際のインストールなどは行わず、テストのみ行う
--nodeps パッケージの依存関係を検証しない

●インストール/更新時に使用できるオプション
短いオプション 長いオプション 意味
--excludepath OLDPATH パスの名前が「OLDPATH」で始まるファイルをインストールしない
--excludedocs 「man」なども含め、文書であるとマーク付されたファイルをインストールしない
--includedocs 文書ファイルをインストールする(デフォルト)
--ignoresize インストール前に、ディスクの空き領域をチェックしない
--ignorearch パッケージのアーキテクチャ(CPUなど)がインストール先と一致しなくてもインストールやアップグレードを行う
--ignoreos パッケージのOSがインストール先と一致しなくてもインストールやアップグレードを行う
--nosignature パッケージまたはへッダの署名を検査しない
--nosuggest 不明な依存性を解消するパッケージを提案しない
--noscriopts ファイルの配置だけを行いスクリプトは実行しない
--force 「--replacepkgs」「--replacefiles」「--oldpackage」相当
--replacepkgs 指定したパッケージが既にインストールされていてもインストールする
--replacefiles 他のパッケージによってインストールされたファイルを置き換えてしまう場合でもインストールする
--oldpackage インストール済みのパッケージよりもバージョンが古くても更新する

●情報問い合わせ関連(-q、-Vと一緒に使用するオプション)
短いオプション 長いオプション 意味
-a --all インストールされているパッケージを一覧表示する
-i パッケージの情報を表示する
--provides パッケージが提供する機能(ライブラリなど)を表示する
-R --requires 依存しているファイル名を表示する
--changelog パッケージの更新情報を表示する
-l --list パッケージに含まれるファイルを表示する
-c --configfiles 設定ファイルのみを表示する(「-l」を指定したものと見なす)
-d --docfiles 文書ファイルのみを表示する(「-l」を指定したものと見なす)
-f ファイル名 --file ファイル名 指定したファイルがどのパッケージからインストールされたのかを表示する(フィールドあるいはフルパスで指定)
-p パッケージ名ではなく、RPMパッケージファイルを指定して問い合わせる

●RPMデータベース関連オプション
短いオプション 長いオプション 意味
--initdb RPMデータベースの存在を確認し、ない場合は初期化をする
--rebuilddb 既存のデータベースからRPMデータベースを再構築する



パッケージをインストールする

 「rpm -i パッケージファイル名」で、指定したパッケージをインストールします。なお、「-i」オプションだけではメッセージが全く表示されないので、「-v」オプションと「-h」オプションを一緒に指定するとよいでしょう(画面1)。

コマンド実行例

rpm -i パッケージファイル名

(パッケージをメッセージなしでインストールする)

rpm -ivh パッケージファイル名

(パッケージ名と経過表示付きでインストールする)


画面1 画面1 rpmコマンドで「nkf バージョン2.0.7」をインストールした様子。パッケージに署名がないため、警告メッセージが表示されている(「--nosignature」オプションで無視することが可能)


パッケージをアップデートする

 「rpm -U パッケージファイル名」で、指定したパッケージをアップデートします。「-i」オプションと同様、「-v」オプションと「-h」オプションを一緒に指定すると、アップデート状況が分かりやすくなるでしょう。

 「-U」オプションでは指定したパッケージがインストールされていなかった場合、新規インストールが行われます。インストール済みのパッケージだけを対象にしたい場合は、「-F」オプションを使用します。

コマンド実行例

rpm -U パッケージファイル名

(パッケージをメッセージなしでアップデートする)

rpm -Uvh パッケージファイル名

(パッケージ名と経過表示付きでアップデートする)


画面2 画面2 「nkf」をバージョン2.0.8にアップデートした


パッケージをアンインストールする

 「rpm -e パッケージ名」で、指定したパッケージをアンインストールします(画面3)。

コマンド実行例

rpm -e パッケージファイル名

(パッケージをメッセージなしでアンインストールする)

rpm -evh パッケージファイル名

(パッケージ名と経過表示付きでアンインストールする)


画面3 画面3 「nkf」をアンインストールした


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801N/PC-386MからのDOSユーザー。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。のち退社し、専業ライターとして活動を開始。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『はじめてでもわかるSQLとデータ設計』『シェルの基本テクニック』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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