やる気をコントロールするために、その特性について見てみます。やる気には、2つの特性があります。
最初に知っておきたい特性は、やる気は意識して「出す」というよりも、自然と「出てくる」ということです。
例えば、親しい仲間と食事に行く予定があると、「うれしい」「ワクワクする」という気持ちが自然と「出て」きます。逆に、気が乗らない人と会う約束があっても、そのような気持ちは起こりません。このような状況で、無理にポジティブな気持ちを「出そう」としても、なかなか出てきません。
けれども、仕事の場合はなぜか、無理にでもやる気を「出そう」としてしまいます。やる気がある方が正しい――そんな価値観が、どこかしらに刷り込まれているからなのかもしれません。
でも、もし、やる気が「出てくる」ものだとしたら、無理に「出そう」とするよりも、どのような環境を整えれば「出てくる」のかを考える方が良さそうです。
次に知っておきたい特性は、「やる気には2種類ある」ことです。
やる気には「短期的なもの」と「長期的なもの」があります。前者を「テンション」、後者を「モチベーション」とも言います。一般的にはこれらを一緒くたにして「やる気」と表現することが多いようです。
テンションには、次のような特徴があります。
モチベーションには、次のような特徴があります。
テンションが短期間でアップダウンするのに対して、モチベーションは、理想像が変わらない限りあまりアップダウンしません。
また、モチベーションが上がることで、テンションも上がることはありますが、テンションが上がったからといって、モチベーションが上がるとは限りません。なぜなら、モチベーションに影響を与えるのは目標や理想像で、テンションとは直接関係がないからです。
テンションとモチベーションは性質が違うため、分けて考えた方がやる気のコントロールをしやすくなります。次のページでは、テンションとモチベーションのコントロール方を見ていきましょう。
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