モチベーション、無理に「上げよう」としていない?――やる気が出ないときの処方箋仕事が「つまんない」ままでいいの?(46)(3/4 ページ)

» 2018年10月17日 05時00分 公開

テンションが上がらないときの対応

 まず、テンションのコントロールです。

1 体と心を整える

 テンションは、上がったり下がったりします。ですから、一時的にテンションが下がるのはそれほど問題ではないし、むしろ当たり前です。この「テンションは下がるものだ」という特徴を知っておくだけでも、「無理に気合いを入れなくてもいいんだ」と思え、気持ち的に楽になります。

 冒頭の「やる気が出ない」という知人にこの話をしたら、「やる気がないといけないと思っていたけど、何だか楽になった」と言っていました。

 テンションに最も影響を与えるのは、体や心の状態です。

 例えば、二日酔いの朝やパートナーとケンカしたときなどはテンションが下がります。また、エンジニアはプロジェクトの進捗(しんちょく)具合で夜遅くまで働くことも少なくありません。体が疲れている状態では、テンションは上がりません。

 また、過度なストレスを抱えているときや不安ごとがあるときも、無理にやる気を「出そう」としても「出て」きません。

 やる気が出ないときは、まず「体と心が疲れていないか」をチェックしてみると良いでしょう。

 体が疲れているときは、「お風呂に入って温まる」「食べる」「よく寝る」など、調子を整えることが先決です(これ、意外と忘れがちですよね)。また、心が疲れているときは、以前紹介した「ただ、たたくだけ――エンジニアにオススメな“打鍵”瞑想法」も参考にしてください。

2 取りあえずやってみる

 体と心は整っているのに、やる気が出てこないこともあります。

 例えば、土曜日を一日寝て過ごして体と心は十分休まっているはずなのに、日曜日の朝、目を覚ましてもやる気が全然出てこないことはありませんか。

 このような場合、やる気があろうがなかろうが関係なく「取りあえず動いてみる」と、やる気が後から付いてくることがあります。

 例えば、部屋の掃除。最初は「面倒くさいなぁ」と思っていても、いざ、体を動かし始めるとスイッチが入ることがありますよね。なぜなら人の心は、行動によって感情が生まれることがあるからです。

 心理学用語に「アンカー」という言葉があります。アンカーとは「条件付け」のことで、「○○(行動)すると→××(感情)になる」というものです。

 例えば……

  • 好きなカフェに行く(行動)と→テンションが上がる(感情)
  • スーツを着る(行動)と→気持ちが引き締まる(感情)

 気持ちにかかわらず、行動や場所が気持ちを変化させてくれるのです。

 掃除の例なら、「掃除をすると、最後はスッキリした気持ちになれる」というアンカーが、やる気に火を付けてくれるのかもしれません。

 少し話はずれますが、私は、嫌な気分になったときは、顔の口角を上げて意識的に笑顔を作るようにしています。笑顔にはいい気分が条件付けされているため、口角を上げて得られるいい気分と嫌な気分が相殺され、感情をコントロールしやすくなると感じています。

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