リゾート地でバケーションしながらワークする、そんな働き方はいかが?――ご当地ライターが、リアルな情報をつづる「UIターンの理想と現実」。全国のIT先端エリアを紹介する「マクロ編」、第4回は関西のリゾート地「和歌山県」です。
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こんにちは、エンジニアのOFF TOKYO(東京にこだわらない働き方)の実現を支援する「シビレ」で、地方移住専門エージェントとして活動している豊田昌代です。
「働き方改革」が進むと、仕事とバケーションを両立できる日が来るかもしれません。「UIターンの理想と現実:マクロ編」、今回は「ワーク+バケーション=ワーケーション」という働き方の啓蒙を通じて、IT企業の誘致を進める和歌山県の取り組みを紹介します。
昨今、大阪や名古屋などの大都市エリアで人口減少が見られ、逆に中堅都市が工夫をこらした人材誘致や企業誘致を行っています。
和歌山県もそんなエリアの一つ。大都市圏での就業にありがちな画一的な働き方ではなく、同県ならではの環境資源を生かした働き方で「IT」を軸にした活性化を目指しています。関西のリゾートエリアは、ITを中心にどのような未来を描くのでしょうか?
南北に長い和歌山県に入る方法は、大きく分けて2つあります。陸路で関西エリアから電車やバスなどを利用して入る方法と、白浜空港を利用して空路で入る方法です。
白浜は関西エリアのリゾート地で、夏場はビーチに海水浴客があふれます。近隣の「アドベンチャーワールド」も人気の観光スポットです。
そんなリゾート地へIT企業が集まりだしたのは、2015年ごろのこと。人口減少が進む同県で、第一次産業が中心だった白浜エリアに新産業を根付かせようとIT企業の誘致に力を入れるようになりました。
当初、それは同県が描く「理想」であり「計画」でしかありませんでした。
筆者が2015年に訪問した際は、白浜町が用意したオーシャンビューの「ITオフィス」には、企業が数社しか入っていませんでした。陸路も使える和歌山市ではなく、あえて白浜エリアを選ぶIT企業はあるのだろうかと心配になりましたが、同時に、都会では絶対に味わえない突き抜けた開放感にシビレたものです。
そんな状況に変化が表れたのは、世界的に有名な外資系IT企業「セールスフォース・ドットコム」がITオフィスに入居してからです。
働き方改革に取り組む大手企業やリゾートライクな働き方に関心を持っているIT企業が数多く視察に訪れるようになり、ITオフィスは満室。2018年に開催した企業向け立地セミナーには160人以上が参加しました。
2018年11月現在、白浜町に続々とIT企業が集まり、新たに整備した「第2 ITオフィス」も満室になりました。
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