本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、現在のロケールと使用可能なロケールの情報を表示する「locale」コマンドです。
本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、現在のロケールと使用可能なロケールの情報を表示する「locale」コマンドです。
「locale」は現在のロケールと使用可能なロケールの情報を表示するコマンドです。
言語と地域の設定を「ロケール設定」(locale、ロカールとも表記)と呼びます。Linuxでは環境変数「LANG」と「LC_*」(通貨はLC_MONETARY、日時はLC_TIMEなど)を使って設定します。以前はロケールで言語だけを指定していましたが、現在は言語と地域と文字コードを組み合わせて「言語_地域.文字コード」と指定します。例えば、日本語は「ja」、日本は「JP」と表すので、「日本語」「日本」「UTF-8」という設定なら、「ja_JP.UTF-8」となります。
なお、システムのロケールを変更するには「localectl」コマンド(連載第260回)を使用します。localectlコマンドでも現在のロケールやシステムで使用可能なロケールの情報を確認できます(※1)。
※1 localectlコマンドはlocaleコマンドより新しいコマンドで、systemdパッケージに収録されています。localeコマンドはglibc-commonパッケージ(Ubuntuはlibc-binパッケージ)に収録されています。
locale [オプション] [キーワード]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-a | --all-locales | 利用可能なロケール名を表示する |
-m | --charmaps | 利用可能なキャラクタマップ名(UTF-8やSHIFT_JISなど)を表示する |
-c | --category-name | 指定したキーワードのカテゴリと値を表示(※2) |
-k | --keyword-name | 指定したキーワードについて「対象="値"」という形式で表示する(※2) |
-v | --verbose | 「-a」オプション指定時に詳細情報を表示する |
※2 「-c」と「-k」はキーワードの指定が必須。例えば、「locale -k language」など。
表示内容 | キーワード |
---|---|
ロケール定義のタイトル | title |
言語 | language |
地域 | territory |
各種の文字コードセット | identification-codeset、measurement-codeset、telephone-codeset、address-codeset、name-codeset、paper-codeset、messages-codeset、time-codeset、numeric-codeset、monetary-codeset、collate-codeset |
「locale」で現在のロケールを一覧表示します(画面1)。「locale language」では言語名を、「locale territory」では地域名を表示します。
locale
(現在のロケールを一覧表示する)
locale language
(言語名を表示する)
locale territory
(地域名を表示する)
「locale -a」で、使用可能なロケールを一覧表示します(画面2)。
実行例では、まずheadコマンドで先頭の10件を表示し、続いて、grepコマンドで文字列「ja」を含む行だけを表示しています。grepコマンドの「-i」は大小文字を区別しないという意味のオプションです。
locale -a
(使用可能なロケールを一覧表示する)
西村 めぐみ(にしむら めぐみ)
PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。
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