【 info 】コマンド(応用編)――Infoフォーマットの文書を検索するLinux基本コマンドTips(280)

本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、Infoフォーマットの文書を閲覧する「info」コマンドです。

» 2019年02月08日 05時00分 公開
[西村めぐみ@IT]
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 本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、Infoフォーマットの文書を閲覧する「info」コマンドです。

infoコマンドとは?

 「info」はInfoフォーマットの文書を対話的に閲覧するコマンドです。

 前回は対象となる文章としてLinuxコマンドのレファレンスマニュアルを例に取り、基本的な操作方法を解説しました。

 今回は検索やに関する操作やヘルプについて取り上げます。



infoコマンドの書式

info [オプション] [対象]

※[ ]は省略可能な引数を示しています。





infoの主なオプション

短いオプション 長いオプション 意味
-k --apropos=文字列 文字列を全ての索引(index)から探して一覧表示する
--index-search=文字列 Info文書中の指定した文字列(インデックスエントリー)の位置から表示する
--vi-keys viコマンドやlessコマンドに似たキー割り当てを使用する
-f ファイル名 --file=ファイル名 閲覧するInfo文書のファイル名を指定する
-d ディレクトリ --directory=ディレクトリ Info文書の検索対象ディレクトリ(INFOPATH)に指定したディレクトリを追加する

infoの主なキー操作

キー 操作内容
スペース, Page Down 次のページを表示する(1スクロール分進む)
DEL,バックスペース, Page Up 前のページを表示する(1スクロール分戻る)
n 同じ階層の次のノードを表示する(next)
p 同じ階層の前のノードを表示する(previous)
[ 同じファイルの前のノードを表示する
] 同じファイルの次のノードを表示する
b, Home 現在のノードの先頭へ移動する
e, End 現在のノードの末尾へ移動する
Enter リンク先へ移動する(「* ノード名:」となっている行)
Tab 次のリンクへ移動する
SHIFT+Tab 1つ前のリンクへ移動する
l 元の位置へ戻る(last)
t このファイルの先頭ノードへ移動
u 1つ上の階層を表示する(up)
d 一番上の階層(dirノード)へ移動する
h, ? ヘルプ画面を表示する
H チュートリアルページを表示する
q infoコマンドを終了する(quit)

infoの主なキー操作(検索)

キー 操作内容
s, / 検索
{ 次へ(後方検索)
} 前へ(前方検索)
Ctrl+G 検索終了


infoの出力画面で検索する

 「info コマンド」で、該当するLinuxコマンドのレファレンスマニュアルを表示します。指定したコマンドのInfoファイルがない場合はmanコマンド用のファイルを表示します。

 該当するコマンドの文書がない場合や、「info」のみで起動した場合は、ディレクトリノードを表示します(連載第279回)。

 [s]または[/]キーを押すとカーソルが最下行へ移動するので、検索したい文字列を入力してください(画面1)。検索文字列に大文字が含まれていた場合、大文字と小文字を区別して検索します。なお、検索には正規表現(第10回)を使用できます。

 検索結果が複数ある場合、[{]で次の該当箇所へ移動します(画面2)。また、[}]で1つ前の位置に戻ります。

 「--vi-keys」オプション付きで起動した場合、manコマンドと同じように、[n]と[N]で前後の移動ができるようになります(※1)。

※1 「--vi-keys」で起動した場合、[[]で次のノード、[]]で前のノードへ移動。リンク先への移動は[CTRL]+[X]に続けて[Enter]。この他の操作については[h]でヘルプを参照(再度[h]でヘルプを終了して元の画面に戻る)。



画面1 画面1 検索を始めようとしているところ
画面2 画面2 検索候補文字列に移動したところ


ヘルプ画面を表示する

 [h]または[?]キーでヘルプ画面を表示します(画面3)。基本操作についてはこの画面で確認できます。

 ヘルプもinfoコマンドで表示しています。上下の矢印キー(行単位)またはスペース、[DEL(Delete)]キーまたはバックスペース(画面単位)でスクロールします。[l]キーでヘルプ画面を終了し元の画面に戻ります。[q]キーを押すと、ヘルプではなくinfoコマンドそのものが終了するので注意してください。

画面3 画面3 ヘルプ画面を表示したところ


チュートリアル画面を表示する

 [H]キーでチュートリアルを表示します(画面4)。このチュートリアルもinfoコマンドで表示しています。

 チュートリアルは複数の項目(ノード)に分かれています。[スペース]キーで読み進めることができる他、[[]キーと[]]キーで前後のノードへ移動できます。

 同じ階層、つまり「1.1」ならば「1.2」へ、「1」ならば「2」へ移動したい場合は[n]キーと[p]キーで移動します。

 また、メニューなどで「* 文字列:」のように書かれている箇所はリンクです。[Enter]キーでリンク先へ移動、[l]キーで元の表示位置に戻ります。

画面4 画面4 チュートリアルを表示したところ


筆者紹介

西村 めぐみ(にしむら めぐみ)

PC-9801NからのDOSユーザー。PC-486DX時代にDOS版UNIX-like toolsを経てLinuxへ。1992年より生産管理のパッケージソフトウェアの開発およびサポート業務を担当。著書に『図解でわかるLinux』『らぶらぶLinuxシリーズ』『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』『macOSコマンド入門』など。2011年より、地方自治体の在宅就業支援事業にてPC基礎およびMicrosoft Office関連の教材作成およびeラーニング指導を担当。


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