MicrosoftがHashiCorp、Buoyantなどと、複数サービスメッシュ間の共通API、「Service Mesh Interface」策定プロジェクトを発表KubeCon+CloudNativeCon Europe 2019

Microsoftは2019年5月21日(欧州時間)、スペイン・バルセロナで開催中の「KubeCon+CloudNativeCon Europe 2019」で、サービスメッシュ技術間の相互運用性を向上する共通インターフェース、「Service Mesh Interface(SMI)」を開発していることを明らかにした。

» 2019年05月22日 08時58分 公開
[三木泉@IT]

 Microsoftは2019年5月21日(欧州時間)、スペイン・バルセロナで開催中の「KubeCon+CloudNativeCon Europe 2019」で、サービスメッシュ技術間の相互運用性を向上する共通インターフェース、「Service Mesh Interface(SMI)」を開発していることを明らかにした。Buoyant(Linkerd)、HashiCorp、Solo、Kinvolk、Weaveworksと共に進めているという。また、Canonical、Docker、Pivotal、Rancher、Red Hat、VMwareの支持を得ているとしている。

 サービスメッシュには、Linkerd、HashiCorp Consul、Istioなど、複数の技術がある。SMIプロジェクトでは、これら複数のサービスメッシュに共通のAPIを定義する。各サービスメッシュがこのSMIを直接サポートするか、ネイティブなAPIとの変換作業を行うことで、ユーザーは複数サービスメッシュ技術の併用や移行がやりやすくなる。

 MicrosoftのAzure Container Compute担当リードプロダクトマネージャー、ゲイブ・モンロイ(Gabe Monroy)氏は基調講演で、当初次の3つのユースケースに注力すると話した。

  • ポリシー(マイクロサービス間のアイデンティティ、暗号化などに関するポリシーを適用)
  • テレメトリ―(サービス間通信のエラー率やレイテンシなどのメトリックを取得)
  • トラフィック管理(サービス間でトラフィックのシフトや優先制御を行う)

Virtual Kubelet、Helm、CNABに関する新たな動き

 Microsoftは同日、他にVirtual Kubelet、Helm、Cloud Native Application Bundle(CNAB)に関する発表を行った。

 Kubeletを「仮想化」し、Kubernetes APIをサーバレスのKubernetesなどに拡張適用できるVirtual Kubeletは、バージョン1.0に到達したという。パフォーマンス向上により、本番環境にも適用が可能になったとしている。

 KubernetesのパッケージングマネージャーであるHelmは、バージョン3のα版が発表された。Tillerを取り去ったことで、よりシンプルに利用できるようになったという。また、同バージョンでは「ライブラリチャート」をサポート、これにより、短いコード群を多数のチャートにわたって再利用できるという。

 Cloud Native Application Bundle(CNAB)は、分散アーキテクチャのアプリを単一のインストール可能なファイルにパッケージするツール。リリース候補版の提供が間もなく開始される。

 MicrosoftはDockerをパートナーとし、HashiCorp、Bitnamiの協力を得てCNABを開発してきた。今回のKubeConでは、パートナーとしてPivotalが加わったことを発表した。CNABはLinux Foundation傘下の組織であるJoint Development Foundationのプロジェクトになっている。

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