「今日は試合があるので17時から混雑」 西武鉄道とヤフーがAIによる混雑予測路線検索履歴や時間帯別降車人数データを活用

西武鉄道とヤフーは、AI(人工知能)によって駅の混雑レベルを予測する実証実験を実施する。乗換検索サービスの検索履歴や駅の「時間帯別降車人数データ」といったビッグデータを使って、駅ごとの混雑パターンを推定する。

» 2019年08月05日 08時00分 公開
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 西武鉄道とヤフーは2019年8月1日「西武鉄道の駅の混雑予測をWebサイトで発信する」実証実験を実施すると発表した。混雑時の混雑緩和や快適性向上を目指す。実施期間は、同年8月19日から9月20日までの33日間。

 同実証実験は「Yahoo!乗換案内」などでの路線検索履歴や西武鉄道の駅の「時間帯別降車人数データ」といったビッグデータを利用する。路線検索履歴は個人が特定できないよう統計化した上で使用する。これらのビッグデータを、Yahoo! JAPAN研究所と東京工業大学の准教授である下坂正倫氏の研究チームが共同開発したAI(人工知能)によって解析し、駅ごとの混雑パターンを推定する。

画像 混雑状況の参照画面イメージ(出典:西武鉄道、ヤフー

まずは通勤利用客が多い池袋駅、西武新宿駅など5駅で実験

 実証実験の対象駅は、池袋駅、西武新宿駅、高田馬場駅、国分寺駅、西武球場前駅の5駅。前者の4駅は通勤時間帯の利用客が多い駅で、西武球場前駅は野球が開催されるメットライフドームの最寄り駅。

 通勤時間帯の利用客が多い駅については、平日の始発から10時までの混雑レベルと、通常よりも混雑が予測される時間帯を表示する。これによってピーク時間帯を避けた通勤を促す。

 西武球場前駅では、西武ライオンズと連携して、野球開催日のメットライフドームへの来場時間帯の混雑レベルと試合前イベントの情報を表示する。これによって早めの来場を促す。

 なお、今回の実証実験は、ヤフーが2019年10月に提供を開始する企業間ビッグデータ連携による事業者向けデータソリューションサービス「DATA FOREST」の開始に向けた実証実験の一例。混雑予測は、西武鉄道のWebサイト内に新たに開設する「混雑予報サイト」で提供する。ヤフーによると、乗換検索サービスの提供会社と鉄道会社が連携した混雑予測の情報提供は国内初の取り組みだという。

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