本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、物理ボリュームの詳細な情報を表示する「pvdisplay」コマンドです。
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本連載は、Linuxのコマンドについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、物理ボリュームの詳細な情報を表示する「pvdisplay」コマンドです。
「pvdisplay」は物理ボリュームの詳細な情報を表示するコマンドです。
Linuxでは当初、HDDなどに直接ファイルシステムを割り当てて管理していましたが、現在では、物理ボリュームをまとめて仮想化されたボリュームを作り上げた後、それを論理ボリュームに切り分けて管理する仕組み「LVM(Logical Volume Manager)」が取り入れられています。例えば、CentOSでは、デフォルト設定のインストールで論理ボリュームを使用します。
物理ボリュームを直接使うのではなく、論理ボリュームを作り上げて記憶領域を管理することで、複数の物理的なディスクを1つにまとめて大容量のファイルシステムを構築したり、ファイルシステムのサイズを後から変更したりする操作が可能になります。
pvdisplayコマンドは、lvm2パッケージに収録されています。CentOS環境では「sudo yum install lvm2」、Ubuntu環境では「sudo apt install lvm2」でインストールできます。lvm2では、ほとんどの操作を「lvm」コマンドで行えるようになっています。
pvdisplay [オプション] [物理デバイス名……]
※[ ]は省略可能な引数を示しています。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-m | --maps | 物理エクステントから論理ボリュームや論理エクステントへのマッピングを表示する(※1) |
-s | --short | 物理デバイス名と空き容量だけを表示する |
-v | --verbose | 付加情報を表示する |
※1 LVMでは記憶領域の最小単位(通常は4MB)を「物理エクステント」(PE)と呼ぶ。ボリュームグループを論理ボリュームに切り分ける際の最小単位を「論理エクステント」(LE)と呼ぶ。PEとLEは同じ大きさに設定されている。
短いオプション | 長いオプション | 意味 |
---|---|---|
-C | --columns | 物理ボリュームごとに1行で出力する(pvsコマンド相当、pvsと同じオプションを使用可能) |
-c | --colon | 項目を「:」区切りで出力する |
--units 単位 | 表示に使用する単位を指定する(KやG、Tなど。適宜読みやすい単位にしたい場合はH、大文字は1000の倍数、小文字は1024の倍数を意味する) | |
--nosuffix | 単位を表示しない | |
長いオプション | 意味 |
---|---|
--ignorelockingfailure | ロックのエラーを無視する |
--ignoreskippedcluster | クラスタ化されたボリュームグループがある場合、適切なロックタイプを使用していない場合でも無視する |
--readonly | 特別な読み出し専用モードを使用する |
「pvdisplay」で、物理ボリュームの詳細情報を表示します(画面1)。実行にはroot権限が必要です。「sudo」コマンド(連載第68回)などを利用してください。
LVMでは、/dev/sdaなどの個々のデバイスを「物理ボリューム」(PV:Physical Volume)と呼びます。LVMを使う際には、まず複数の物理ボリュームを束ねた「ボリュームグループ」(VG:Volume Group)を作成し、ボリュームグループの中に「論理ボリューム」(LV:Logical Volume)を作成します。
物理ボリュームの情報は「pvs」コマンド(連載第331回)、ボリュームグループの情報は「vgs」コマンド(連載第333回)、論理ボリュームの情報は「lvs」コマンド(連載第329回)で表示できます。
さらに、それぞれの詳細情報を表示する「pvdisplay」コマンド、「vgdisplay」コマンド(連載第334回)、「lvdisplay」コマンド(連載第330回)があります。
今回の「pvdisplay」は、デバイスごとに物理デバイス名(PV Name)とボリュームグループ名(VG Name)に続いて、サイズなどの情報を表示します。
「pvdisplay デバイス名」で、表示する物理デバイスを指定することもできます。
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