Cloud Foundryで新たなCLI、「cf CLI v7」が発表された。cf CLI v7では、アプリケーションのローリングアップデートを1コマンドで実行できる機能や、アプリケーションのデプロイを構成するステップをきめ細かく制御できる機能などを追加した。
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Cloud Foundry Foundation(CFF)は2020年6月24日(米国時間)、オンライン開催したCloud Foundry Summitで、新たなCLI(Command Line Interface)、「cf CLI v7」を発表した。cf CLI v7では、アプリケーションのローリングアップデートを1コマンドで実行できるコマンドなどを追加した。
「今回のリリースでは、高度な開発/デプロイメントテクニックを容易に適用できるようにすることに注力した。また、これらの技術をより細かく制御できるようになった」と発表ブログポストは総括している。
ゼロダウンタイムでのアプリケーションのローリングアップデートは、これまでCloud Foundryでは複数のコマンドを組み合わせることで実行できたが、複雑で、問題が発生した場合の復旧も困難だったという。
そこでcf CLI v7では、“cf push” に“--strategy rolling”というフラグを付けることで、1コマンドによる実行を可能にしたという。このフラグは“cf restart”“cf restage”でも使えることになるという。
Cloud Foundryの“cf push”では、アプリケーションのデプロイが1コマンドでできる。だがその裏では、多数のコマンドが発行されていると、ブログポストは説明した。具体的には「コードをシステムにアップロード」「必要なランタイムとミドルウェアを検出し、インストール」「アプリを依存性と共にパッケージし、コンテナ化」「ルートあるいはURLを設定」「負荷分散を登録」「SSL終端を設定」「監視/ロギングサブシステムを作成」「適切なインスタンス数を用い、健全な状態でアプリを起動」「指定されたサービスをバインド」を実行しているという。
cf CLI v7ではcf push”の裏で実行されているコマンドの一部を指定実行できるサブステップコマンドを追加した。これにより、アプリケーションのデプロイを、きめ細かく制御できるようになったという。
例えばWebアプリケーションでは、ユーザーインタフェース(UI)プロセスとワーカープロセスに対し、同時にアップデートを実行したい。だが各プロセスは独立してスケールしている。こうした場合に単一コマンドで複数プロセスにまたがるアップデートを実行できる。
それぞれのプロセスが個別にスケールできるようにしたいが、マイクロサービスにまつわる複雑さを回避したいという場合に適しているという。
「サイドカー」というとEnvoyのようなプラットフォーム機能を思い浮かべがちだが、これはユーザー自身によるプロセスを隣接して動かせるものだという。
例えば次のようなケースでは、アプリケーションと同一コンテナ内で動作するプロセスが求められると、ブログポストは説明する。
これを実現するAPIは以前から存在していたが、cf CLI v7で正式にサポートされることになったという。
cf CLI v7では、Cloud Foundryを用いた大規模なアプリケーションの運用、監視、監査を支援するため、Cloud Foundryのリソースにメタデータを追加する機能が加わった。
例えばアプリケーションオーナーの電子メールアドレス、アプリケーションのリリース段階(α版、β版、本番など)、アプリケーションを担当する部署、アプリケーションが消費するリソースのコスト賦課先などの情報を追加できるという。
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