本連載では2020年1月に安定版(Stable)が完成したChromiumベースの新しい「Microsoft Edge」について、企業向けの機能や企業内クライアントへの展開を解説してきました。これまで自動配布の対象外だったWindows 10 EnterpriseとEducationが今後、自動配布の対象になることをお伝えします。ただし、全てのPCが自動配布の対象になるわけではありません。
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Chromiumベースの新しい「Microsoft Edge」は、今後「Windows 10」の標準モダンブラウザになる予定です。「20H2」と呼ばれる次期バージョンでは、新しいMicrosoft Edgeが標準になるという情報もあります。
MicrosoftはChromiumベースの新しいMicrosoft Edgeを2020年1月に正式にリリースし、まずは手動でダウンロードおよびインストールすることで導入を可能にしました。その後、HomeおよびProエディションを対象にWindows Updateでの自動配布を開始しています。
ただし、これらのエディションを実行する全てのPCが対象なわけではなく、「Active Directory(AD)」ドメインや「Azure Active Directory(AAD)」に参加しているデバイス、「Windows Server Update Services(WSUS)」で管理されているデバイス、「Windows Update for Business(WUfB)」で管理されているProエディションのデバイスは“自動配布の対象外”とされました。
日本では2020年6月中旬、Windows 10 バージョン1803以降の対象デバイスに「2020-05 Windows 10 Version XXXX 向け Microsoft Edge Update(x86またはx64ベースシステム用)(KB4559309)」として、Windows Update経由で自動配布されました(画面1)。
当初、Windows 10のEnterprise、Education、Pro for Workstationsは自動配布の対象外とされ、組織の管理者が何らかの方法(ソフトウェア配布ツールなどを使用、WSUSでは不可)で企業内クライアントに配布するか、手動で導入するかしない限り、新しいMicrosoft Edgeの自動配布の影響について考慮する必要はありませんでした。新しいMicrosoft Edgeの企業向け新機能や企業での展開方法については、本連載でも何度か取り上げました。
Windows 10に続いて、2020年6月下旬には「Windows 7 Service Pack(SP)1」と「Windows 8.1」(Enterpriseを除く)にWindows Update経由での自動配布が始まりました(画面2)。Enterpriseエディション、ADドメイン参加、AAD参加、WSUSで管理されているデバイスは自動配布の対象外です。
なお、Windows 7 SP1での新しいMicrosoft Edgeの利用は、サポート終了後に最大3年間(2023年1月まで)、セキュリティ更新を受け取ることができる「拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)」の購入者を想定しているものです。ただし、Windows 7 SP1での新しいMicrosoft EdgeのサポートはESUの期間の途中の「2021年7月15日」に終了することに注意してください(※)。
(※)Windows 7およびWindows Server 2008 R上でのGoogle ChromeおよびMicrosoft Edge(Chromiumベース)のサポートは半年間延長され、「2022年1月15日」までに変更されました。
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