2つ目は、「イメージが具体的ではない」です。
先日、こんな相談を受けました。「私、変わりたいんです。でも、何から始めたらいいのか分からないんです」と。「どんなふうに変わりたいんですか?」と尋ねたら、その方は「うーん」と、頭を抱えてしまいました。
このように、「何から始めたらいいのか分からない」とき、実現したいことが大き過ぎたり、抽象的過ぎたりしていることが多いのではないかと思います。
「私、変わりたいんです」という課題だったら、「変わりたい」という気持ちはとても大切です。でも、「変わりたい」だけだと、「具体的にどう変わりたいのか」というイメージが明確ではありません。その結果、やるべきことが見えてきません。
それならば、「“変わった”とはどういう状況なのか?」や、「そのとき、どこで、何をしているのか?」のように、「具体的なイメージ」を明確にするのはどうでしょうか?
あなたは、どのように変わりたいのですか? もし、「変わった」としたら、誰と、どこで、何をしていますか? 周りの人は、何と言っていますか? そして、そのときあなたは、何を感じているでしょうか?
3つ目は、「目的が明確ではない」です。
先日、「海外留学をしたい。そのためには英語の勉強をしなければならないのだけれど、英語を勉強する気が起きない」という方の話を聞きました。「なぜ、海外留学をしたいんですか?」と尋ねたら、「お金持ちになって成功したい」と言います。
「海外留学をしたい」「お金持ちになりたい」ということも、確かに「実現したいこと」だと思います。でも、行動の目的としては、やや抽象的で「あぁ、私はそのために、英語を勉強したいんだな」という目的が明確ではないため、内面からの動機付けにはなりにくいのです。
目的が明確ではない場合は、「それを実現すると、どうなるのか?」を繰り返し問う必要があるでしょう。
「海外留学をすると、どうなれるのか?」のように、「その先の目的」を考えてみたとき、答えられますか? お金持ちになると、どうなれるのでしょうか? 何が得られるのでしょうか? そこには、どんな意味があるのでしょうか?
「あぁ、私は海外留学をすることで、○○を実現したいのだな」という、その先の目的(何のために)が明確になると、行動の動機になりやすいでしょう。
4つ目は、「苦手なことを無理に頑張ろうとしている」です。
私が起業したときの話です。エンジニアから、人材育成の企業研修や講演、コーチングなどにキャリアを変えて起業したのですが、当初、お客さんがゼロでした。
そこで、お客さんを見つけるところから始めたのですが、人見知りだし、売り込むのが得意ではなく、対面営業が苦手です。それでも当初は提案書を書いて「営業しなきゃ」と力んでいました。
でも、そもそも「苦手なこと」は、行動的にはなれません。当然、結果にもつながりません。
そこで、あるとき「苦手なことはやめて、別の手段を考えよう」と思い、インターネットを活用することにしました。「なぜ、自分は人材育成の仕事をしようと思ったのか」「働きやすい職場を作るポイント」みたいな文章を書いて、発信し続けたのです。
その結果、時間はかかりましたが、少しずつお客さんと出会うきっかけができました。つい先日も、「インターネットの記事を読んで」という大企業から連絡がありました。ありがたいことです。
ちなみに、文章を書くのはそれほど得意ではありません。でも、それほど苦手ではありません。人に合わなくてもできるので、比較的前向きに取り組めましたし、継続もできました。
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