5つ目は、「できない理由を考えてしまう」です。
先日、「起業したい」という方から相談を受けました。なんでも、「コンサルタントのような形で成功したい」と言います。そのために、セミナーを開催して顧客候補を集めたいのだそうです。
セミナーはSNSの広告を使って告知しているそうなのですが、「広告もいいと思いますが、友達や知人に声を掛けてみては……」と提案したところ、「私は竹内さんと違ってSNSのフォロワーが少ないので、その方法は有効ではありません」と言います。
「いやいや、それは現在の私であって、私だって独立したときは、フォロワーゼロでしたよ。一人一人との信頼関係を作ってきて、いまがあるだけです」とお話ししましたが、提案は合わなかったようです。
何かを形にするためには、「行動の選択肢を増やして、やる」その繰り返しだと思います。最初から「そんなことをやってもムダだ」「私はあなたと違う」としてしまっては、新たな行動は生まれずに、結果には結び付きにくいのではないでしょうか。
6つ目は、「忙しい」です。
前回の本連載で、残業時間は減ったけど、気持ちが休まらない日が続く。そんなときには……というお話をしました。「忙しいと気持ちが休まらないので、ちゃんと休みましょうね」という内容でした。
経験者だからズバリ言います。過度に忙しいと、行動的にはなれません。
そんなときは、「もう、今日はやめた」と諦めて、おいしいものでも食べて、ゆっくりとお風呂に入って、ぐっすり寝ましょう。それに限ります。
「おいしいものを食べる」「お風呂に入る」「よく寝る」……こういった、基本的な生活も大切です。
少し話は変わりますが、私は畑で野菜を育てています。それほど大掛かりではありませんが、折を見ては畑に行くのが日課です。
実は、このように行動が変わったのはつい最近です。種をまくまでは「あー、土を耕さなくちゃ」「種をまかなくちゃ」と、どちらかというと義務感の方が大きく、決して行動的とはいえませんでした。でも、いまは毎日、畑に行っています。なぜだろう?
それは、野菜が「少しずつ成長するのを見ているのが楽しい」からです。つまり、変化を感じると、人は行動的になれるのでしょうね。
これって、普段の仕事でも同じだと思うんです。
変化を感じられるようになるまでには、少し時間がかかることもあるかもしれません。「よし! やらなきゃ」とカラ元気を出す必要があるときもあるかもしれません。でも、いまはまだあまり行動的にはなれなくても、変化を感じると楽しくなってきます。
変化が見えるまで「続ける」ということも、行動を継続する上では大切なポイントなのではないかと思います。「卵が先か、鶏が先か」という声が聞こえてきそうではありますが……。
しごとのみらい理事長 竹内義晴
「仕事」の中で起こる問題を、コミュニケーションとコミュニティーの力で解決するコミュニケーショントレーナー。企業研修や、コミュニケーション心理学のトレーニングを行う他、ビジネスパーソンのコーチング、カウンセリングに従事している。
著書「感情スイッチを切りかえれば、すべての仕事がうまくいく。(すばる舎)」「うまく伝わらない人のためのコミュニケーション改善マニュアル(秀和システム)」「職場がツライを変える会話のチカラ(こう書房)」「イラッとしたときのあたまとこころの整理術(ベストブック)」「『じぶん設計図』で人生を思いのままにデザインする。(秀和システム)」など。
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