「1人情シスでハードソフト更新の無限ループは限界」――クラウド移行企業が語る成果と経営者を納得させるコツ中堅中小企業がクラウド移行を加速させる3つの理由

2021年5月11日〜12日に開催された「AWS Summit Online」でクラウド移行を進めた2社がクラウド移行の成果や経営陣からクラウド移行のゴーサインをもらうためのポイントを語った。

» 2021年06月18日 05時00分 公開
[齋藤公二@IT]

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 大手企業に比べて限られたリソースでITを管理しなければならない中堅中小企業にとって、IT投資とIT管理をどう推進、効率化していくかは大きな課題だ。経営に対してITのメリットをどう訴求するか、導入後どのように成果を出せるのかもハードルになりやすい。

 だが、最適な分野に最適な投資ができれば、大企業と同じ土俵でビジネスを展開できる。そこでポイントになるのがクラウド活用だ。2021年5月11〜12日に行われた「AWS Summit Online 2021」のセッション「『中堅中小企業こそクラウドを活用すべき!』クラウド移行企業が語る−コスト改善&安定運用のススメ−」では、中堅中小企業がどうクラウドを活用していけばよいかをAmazon Web Services(AWS)ユーザー事例から明らかにした。

 まず、アマゾン ウェブ サービスジャパン テリトリー本部 松下怜史氏が総務省の通信利用動向調査の結果を示しながら、中堅中小企業においてもクラウドサービスの利用が拡大していること、85.5%がクラウド採用により「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答していることを紹介した。

 「AWSは、世界で数百万、日本で数十万のお客さまにご利用いただいています。業種や会社規模によらず幅広いお客さまに活用されていることが1つの特徴です」(松下氏)

 松下氏によると、中堅中小企業においてAWS移行が加速する理由は「IT設備への費用削減と運用負荷低減」「安定運用の実現」「イノベーションの実現」の3つにあるという。進め方としては「ステージ1:持たないITへの変革」「ステージ2:クラウドのメリットの享受」「ステージ3:さらなるクラウドのメリットの享受」と段階を設け「AWS移行がゴールではなく、いかに早くステージアップし、クラウドのメリットを早期に享受いただくかが重要」だと強調した。

クラウド移行を各ステージに分類したイメージ クラウド移行を各ステージに分類したイメージ

社員160人の土佐ガスグループを支えるアツミ電子計算センターの事例

 続いて、アツミ電子計算センター 情報システムグループ 椎原徹氏が登壇し、高知県内にLPガスを供給する土佐ガスグループのAWS活用事例を紹介した。アツミ電子計算センターは、土佐ガスグループのシステム基盤の構築やIT提案、システム保守などを行っている。土佐ガスは、社員160人で、LPガスの他、福祉用具のレンタル、販売、住宅改修、上下水道工事なども手掛ける。

 AWS移行のきっかけの1つは、土佐ガスグループ内の「Windows Server 2008」を搭載した13台のサーバの保守切れだった。サポート契約満了が1年後に迫るなか、オンプレ継続かクラウド移行かを検討していたという。

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