アドビは、7カ国を対象に実施した未来の働き方に関する調査の結果を発表した。日本では「テレワークではオフィスほど仕事がはかどらない」と答えた人が多数を占めた。日本は、全体の業務時間の中で雑務にかける時間が長いことも分かった。
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アドビは2021年9月16日、全世界で実施した未来の働き方に関する調査の結果を発表した。世界全体では、テレワークの導入によってワークライフバランスが向上したと答えた人が多数を占めたのに対して、日本では「テレワークではオフィスほど仕事がはかどらない」と答えた人が多かった。
今回の調査は、日本、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの7カ国で、従業員数1000人以上の企業に勤める男女3404人を対象に実施した。
ワークライフバランスについて聞くと、テレワークによって「ワークライフバランスが向上した」と回答した割合は、7カ国の平均が85.5%だった。最も高かった国はニュージーランドで95.7%だった。これに対して日本は73.0%だった。
テレワークの方がオフィス勤務よりも仕事が「はかどる」と回答した割合は7カ国の平均が69.1%だった。日本は42.8%と、7カ国で最も低い結果になった。この点からアドビは「日本はテレワークでオフィスほど効率的な仕事ができていない」と分析している。
業務時間の中で雑務に割いている時間について聞いたところ、7カ国の平均が32.3%に対して日本は35.5%だった。
作業を効率化するためにデジタルツールを導入してほしいタスクを聞くと、日本では「紙文書の作成・確認作業」(71.0%)、「ファイル管理」(70.6%)、「ファイル検索」(62.6%)がトップ3だった。アドビは「紙を使った業務が多く残る日本では、紙文書のデジタル化がテレワーク体験向上の鍵になる」としている。
アドビの秋田夏実氏(マーケティング本部 バイスプレジデント)は、「今回の調査で、テレワークの導入がワークライフバランスの向上に大きく寄与することが分かった。一方で、日本にはテレワークだと仕事に集中できない人が多いことも明らかになった。オフィスで働くのと同じようにテレワークで仕事を効率的に行うには、クラウドサービスや電子サインなどのデジタルツールを導入し、オフィスでしかできない紙を使った業務をなくすことが必要だ」と述べている。
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