Synergy Research Groupは2022年第2四半期のUCaaS市場の調査結果を発表した。UCaaSは音声や映像、テキストなどの通信を統合したユニファイドコミュニケーションをクラウドサービスとして提供するものだ。MicrosoftとZoomの動向に注目が集まるものの、トップシェア企業はこのどちらでもない。
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Synergy Research Groupは2022年9月26日(米国時間)、2022年第2四半期のUCaaS(Unified Communications as a Service)市場の調査結果を発表し、MicrosoftとZoomが競うように市場シェアを伸ばしていることを指摘した。この他、UCaaS市場においてBYOC(Bring Your Own Carrier)ソリューションが台頭しているという。
UCaaSは音声や映像、テキストなどの通信を統合したユニファイドコミュニケーション(UC)をクラウドサービスとして提供するもの。
2022年第2四半期にUCaaSの加入者数は2021年第2四半期で20%増加した。MicrosoftとZoomがいずれも40%増となり、引き続き市場シェアを拡大した。2019年にはMicrosoftはまだ存在感が小さく、Zoomはサービスを開始したばかりだったが、今では両社の市場シェアは10%程度に達している。
一方、UCaaS最大手のRingCentralは、第2四半期に加入者数が24%増え、約21%の市場シェアを維持した。他の大手ベンダーでは、8x8、Cisco Systems、LogMeInが加入者数を伸ばしたが、シェアは比較的横ばいで推移した。また、シェアは下位ながらも、Dialpadが市場平均を大きく上回る成長率を記録した。
UCaaSの総加入者数は現在、2100万人を超えており、2019年末と比べて倍増している。世界市場では、米国が加入者数ベースで全体のほぼ4分の3と大きな割合を占める。UCaaS市場は全ての地域で力強く成長しているが、他のほとんどの国では市場開発がまだ初期段階にあり、米国以外では、英国とドイツの市場が群を抜いて大きい。
Synergy Research Groupの創業者でチーフアナリストのジェレミー・デューク氏は、次のように説明している。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が、オンプレミスのPBX(構内電話交換機)からUCaaSへの移行の加速に貢献した。これはUCaaSベンダーにとって大きな追い風となり、Ring Centralは全体的に堅調だ。Microsoftは中堅企業市場で特に好調を示し、Zoomは大企業市場で大きく追い上げている」
「UCaaSブームが続く中、最近の興味深い動きとして、いわゆるBYOCソリューションの台頭がある。BYOC UCaaSは企業が既存のUCaaSやホステッドPBXの契約を維持し、これらのサービスをコラボレーションプラットフォームで活用できるようにするものだ。このソリューションでは、現在導入しているものを廃棄したり、交換したりする必要がない。今後5年間は、UCaaSとBYOC UCaaSの両方が力強い成長を遂げると予測している」(デューク氏)
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