Hiredは雇用主や採用候補者を対象に調査した年次調査の結果を発表した。ソフトウェアエンジニアの給与が最も高い地域、職種と最も需要の高い職種、スキルが明らかになった。
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採用プラットフォームを提供するHiredは2023年2月28日(米国時間)、雇用主や採用候補者を対象に調査した年次調査「Big Transitions in the Tech Industry: 2023 State of Software Engineers」を公開した。
同調査は6万8500人以上のソフトウェアエンジニア候補者の情報、および49万4000件の雇用主とソフトウェアエンジニア候補者のやり取りから、スキル、給与、仕事に関する嗜好などの需要傾向を分析したものだ。また1300人以上のソフトウェアエンジニアと120人の専門家および採用担当者を対象にアンケート調査を実施している。
同調査によると、2022年にテクノロジー業界でレイオフが相次いだ結果、15万人以上が失職したという。
2022年のレイオフ期間(Hiredでは2022年5月〜12月と定義)には、雇用者の需要が経験年数の長い候補者にシフトした。2022年1月時点では雇用主の64%、2022年12月には72%が6年以上の経験を持つ候補者に面接依頼を行っている。また2021年〜2022年にかけてシニア人材はジュニア人材よりも高い給与上昇率を示している。
HiredでCEO(代表取締役)のジョシュ・ブレナー氏は次のように話す。
「テクノロジー企業の採用状況には驚くべき変化が起きている。ここ数四半期で大幅なレイオフが行われた後、雇用主も候補者も2023年に向けて足元を固めつつある。雇用統計や失業率は改善傾向にある。さまざまな分野の企業が雇用を継続しており、『テクノロジー業界の冬』は終わりつつあると楽観視している。また『Return to Office(オフィスに戻ろう)』と呼びかける有名企業もあるものの、ほとんどの企業は引き続きテレワークを優先している」
ソフトウェアエンジニアは「柔軟性」と「テレワーク」を強く要望しており、雇用主もその要望に同意している傾向がある。Hiredに登録している候補者の39%が、2022年12月時点でテレワークのみを希望している。調査対象の雇用主も今後6カ月以内に優先する福利厚生として、報酬、医療、PTO(有給休暇)に次いで「柔軟なワークスケジュール」を挙げている。
ソフトウェアエンジニアの年間平均給与が最も高かった地域は米国サンフランシスコのベイエリアで、ローカルとリモートそれぞれで18万ドルと17万6000ドルだった。年間平均給与が最も高かった職種は自然言語処理(NLP)エンジニアで、2021年と比較して賃上げ率が最も高かった。
最も需要が高かった職種はバックエンドエンジニアだ。Hiredが提供する採用プラットフォームで59%の面接リクエストがバックエンドエンジニアで、前年比3%増だった。雇用主は過去6カ月以内で最も採用が困難だった職種としてバックエンドエンジニアを挙げた。
最も需要が高かった技術スキルは「Ruby on Rails」で、「Ruby」「Scala」「Go」と続いた。Ruby on Railsに習熟したエンジニアは市場平均と比較して雇用主からの面接依頼が1.64倍多かったという。
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