グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。前回に引き続き、アクトビのフロントエンドエンジニア、Daniel Parsons(ダニエル・パーソンズ)さんにお話を伺う。何事にも軽いフットワークで対応するダニーさんは“失敗”をどう捉えているのか。
国境を越えて活躍するエンジニアにお話を伺う「Go Global!」シリーズ。今回もアクトビでフロントエンドエンジニアとして働くDaniel Parsons(ダニエル・パーソンズ)さんにお話を伺った。英語の先生とプログラミングの学習を両立させるダニーさんに訪れた、次の出会いとは。
聞き手は、アップルやディズニーなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
阿部川 “Go”久広(以降、阿部川) アクトビに入社したのが、2022年の1月ですね。きっかけは何だったのですか。
Daniel Parsons(ダニエル・パーソンズ 以下、ダニーさん) プログラマーのイベントに参加したときにアクトビのハナさんという人に出会ったことです。ハナさんから「会社でエンジニアを募集しているので、もし興味あれば、面接行ってみない?」と軽い感じで聞かれて、興味が湧いたので面接を受けたのです。
阿部川 ではそのときにアクトビのCEO(藤原 良輔氏)に会ったのですね。どんな印象を受けましたか。
ダニーさん 日本の会社って、すごい“固い”イメージがあったのです。ましてやCEOともなると「めっちゃ固い」イメージ。きっとスーツを着ているおじさんが来ると思っていて。面談でもいろんな質問されると思って、準備していました。
でも実際はフランクな感じで「ダニーさん、何したいん?」なんて友達のように話し掛けてくれて。「こういうことしたいです」と伝えたら、その場でいろいろな提案をしてくれました。「だったら、これ勉強すればいいんじゃない?」って。僕が話すことにすごい興味を持ってくれたと感じました。
こうしたフランクな面接っていいですよね、ちょっと憧れます。会社で働くということは、本来、「会社がやりたいことと働きたい人のやりたいことが一致するから」なので、こうして「やりたいことをこの会社なら実現できるかどうか」を面接で知れるといいですね。
阿部川 ここでも良い出会いですね。ダニーさんは、軽い感じから入りますが、その後ちゃんとした話になりますよね、全部。大学の先生からバーで軽く誘われて日本に来る、といった感じで。それがなかったら、今ここにいないじゃないですか。
ダニーさん 確かに。もちろん最初は軽くても好きになれない仕事は駄目なので、そこはちゃんとしています。仕事は楽なことばかりはなく、大変な時期もありますよね。特にリリースがある時はすごく大変ですけど、「好き」というか「興味がある」というか……。本当にやりたいことだったら、大変なことでも乗り越えられるじゃないですか。ですから、そこ(好きと思えるところ)から始められてよかったと思います。
阿部川 正しい意味で「適当に」というか「適切に」ですね。本当にそう思います。ダニーさんがおっしゃるように「好き」だったら頑張ることもつらくないじゃないですか。
ダニーさん そうですね。「どれだけ頑張るか」は考え方の問題だと思います。プログラムの勉強をしていたころ、時々遅くまで勉強することがありました。それは自分のための勉強の時間だと思ったから、遅くまで勉強できました。今の仕事で残業することもありますが、そのときは自分の勉強時間だと思うようにしています。
阿部川 嫌だなと思いながらやるよりも、自分のためにもなる勉強の時間だと思った方が頑張れますよね。どうせやらなきゃいけないのであれば、楽しくした方がいいです。現在はどんなお仕事をされているのですか。
ダニーさん お客さんと一緒にプロダクトを作る、といった感じです。私はフロントエンドなので、お客さま側にあるバックエンドと協力して進めています。プロジェクトとしては例えば、スーパーマーケットのWebサイトを作ったり、お客さんと一緒にバックエンドを設計したり。設計に関するコンサルティングもします。このインタビューの前にもミーティングしていたのですよ。
阿部川 忙しい、けれども楽しく仕事ができているみたいですね。逆に「これは困ったな、頑張らないとな」と思うことはありますか。
ダニーさん そうですね「日本語の表現」でしょうか。仕事は全部日本語でやりとりしているのですが、CTO(最高技術責任者)と一緒にミーティングに入ると、「この言い方すごいな」と感心することがよくあります。そのレベルに行きたいと思っています。試験(日本語能力試験)が終わってから日本語の勉強は止めていたのですが、最近、「考えを言語化すること」の重要さを再認識しています。また教科書を開かないとですね。
阿部川 それはもう、教科書には書いていないことですね。現場で盗む方がよいかもしれません。
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