Linux Foundation、分散型システムのオープン開発を後押しする新団体の設立計画を発表既存のブロックチェーンおよびデジタルIDプロジェクトの強みを基盤に

Linux Foundationは、分散型トラストを備えた分散型システムのオープンソース開発の推進に重要な役割を果たす「Linux Foundation Decentralized Trust」を設立する計画を発表した。

» 2024年06月28日 08時00分 公開
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 Linux Foundationは2024年6月25日(米国時間)、分散型技術の市場が拡大し、導入が進んでいることを踏まえ、「Linux Foundation Decentralized Trust」(LF Decentralized Trust)を設立する計画を発表した。

 この新しい統括組織は、Linux Foundationの既存のブロックチェーンおよびデジタルアイデンティティー(ID)プロジェクトの世界的な強みを基盤として、分散型技術の急速な発展をさらに後押ししていく。

 この技術のより広範なエコシステムの促進を目指し、LF Decentralized Trustは、Hyperledgerプロジェクト群の成長するポートフォリオをカバーし、分散型トラスト(※)の分散型システムへのマクロシフトに不可欠な、新しいオープンソースソフトウェア、コミュニティー、標準、仕様をホストする。

※中央集権的な管理機関に依存することなく、技術的な手段によって、知らない相手とのやりとりにおいて成立する信頼関係

 分散型技術は市場を急速に再編し、従来のビジネスモデルやシステムに創造的破壊をもたらしている。経営コンサルティング企業Boston Consulting Groupによると、資産のトークン化だけでも2030年までに16兆ドルの市場規模になる見通しだ。LF Decentralized Trustのプロジェクトとメンバーのエコシステムの拡大は、新しいトークン化された資産クラスおよびネットワークに不可欠であり、金融、商取引、政府、医療などのコアインフラのモダナイゼーションにも不可欠だ。

 LF Decentralized Trustは、台帳、ID、セキュリティ、相互運用性、スケール、実装および関連技術を、幅広くオープンに開発するための中立的な拠点を提供する。これらの基盤技術の開発と展開におけるイノベーションとコラボレーションを促進する、Linux Foundationの主要組織となる。またLF Decentralized Trustには、個々のプロジェクトやプロジェクトのリソースに対するメンバーの戦略的な投資を促進する、新しい資金提供モデルも含まれる。

 Linux Foundationのエグゼクティブディレクターを務めるジム・ゼムリン氏は、次のように述べている。「われわれはLF Decentralized Trustを通じて、より広範な分散型技術を取り入れることで、オープンソースイノベーションへの取り組みを拡大する。新たに発足するこの主要組織の支援を受け、コミュニティーは世界的なインフラの透明性、セキュリティ、効率性を推進する、より強力なエコシステムを構築できるようになる」

 「Hyperledgerコミュニティーが8年間にわたってブロックチェーン、分散型ID、関連技術の開発を進めてきたおかげで、われわれの取り組みと影響力を拡大する時が来た」と、Linux Foundationのブロックチェーンおよびアイデンティティー担当ゼネラルマネジャーを務めるダニエラ・バルボサ氏は述べている。

 「台帳と台帳技術は、デジタルファーストの世界経済を支える分散型システムの1つの要素にすぎない。LF Decentralized Trustは、世界の基幹システムのアップグレードを成功させるために必要な透明性、信頼性、セキュリティ、効率性を実現するために、広範なコミュニティーと技術ポートフォリオを結集し、成長させる場になる」(バルボサ氏)

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